コンセプトデザイナー/
心理コンサルタントの常光です。

仕事をしていると、
サービス内容をこれまで通り維持したほうがいいのか、
変えたほうがいいのか、
悩まれることがあると思います。

今日はそんなときの考え方について
お話ししていきます。

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かかりつけの歯科クリニックの事例から…

先日、3カ月ごとの歯科医院さんでの
定期検診とクリーニングに
行ってきました。

「診療時間変更のお知らせ」
という紙が貼ってあり、

「これまで夜8時まで診療していましたが、
これからは平日は夜7時まで、
土曜日は6時までに変更します」
ということでした。

院長先生の想いも
とても丁寧に書かれていました。

「地域医療に貢献したいという思いで
これまで夜8時まで診療を続けていましたが、
今後は働き方改革を進めて、
優秀な人材の定着を図りたい。
そして、診療の質をさらに上げていきたい。」
という想いや、

「お仕事帰りの通いやすさというところに
便利さを感じていた方には
ご迷惑をおかけしますが、
ご理解のほどお願いします。」ということも
書かれていました。

個人的には
とても素晴らしい取り組みだなと感じました。

こんなふうに日本中で
働きやすい環境づくりが
もっともっと進んでいけばいいな。

労働時間だけではなく、
内容とか、やりがいに関しても、
もっとハッピーな働き方が
進んでいけばいいなって
嬉しく感じました。

さらなる質の向上を目指しての選択

少し補足しておくと、
ここのクリニックさんは、
今もうすでにかなりハイレベルな
診療をされています。

診療技術も確かですし、
患者さんへの説明も
iPadで検査結果を見せてくれたり、
かなり丁寧でとても分かりやすい。

いつも気持ちよく
診ていただいています。

これからもっとさらに
質が上がるのか!すごいなぁ!
ハンパねぇな!と、嬉しくなりました。

一方で、今回、
診療時間短縮を決められるまでには
院長先生は悩まれたんじゃないかなと、
文面からも伝わってきました。

「夜7時以降じゃないと
どうしても来れない」っていう
患者さんも何人かはいらっしゃるでしょう。

他のクリニックに変わる方も
何人かはいらっしゃるでしょう。

ただ、やはり、
夜8時まで診療しておられると、
その後片付けして帰宅するのは
かなり遅くなります。

夜、おうちでゆっくり過ごしたい方とか、
家事や育児に時間を使いたい方とか
勉強や趣味の時間に充てたい方にとっては
この労働条件というのは
結構厳しいと思います。

拘束時間だけが原因ではないと思いますが、
私の担当衛生士さんも退職されたようで、
これまで2回担当が代わりました。

代わった後のスタッフの方も
とってもいい方ばっかりで、
患者としては何の不利益もありません。

ですが、院長先生のお立場を考えると、
なかなか人材定着が難しいのかな、
大変そうだなというふうに見えます。

こういう状況なので
スタッフの方々が
長く気持ちよく働き続けられるように、
より魅力的なクリニックにしていこうと
今回の診療時間短縮を
お決めになったのでしょう。

続けるか変えるか
選択するときの考え方

皆さんもこんなふうに、
サービス内容について
「今のままのやり方で
続けた方がいいのか、
変えた方がいいのか」と
悩まれることがあるのではないでしょうか。

私自身もコンサルタントとして
働き始めて20年近くになりますが、
これまで何回も
サービス内容やコンセプトを変えてきています。

お客さんには
「こんな想いでこんなふうに変更します」と、
事前になるべくご丁寧に
ご説明しようとは心がけています。

説明をすると、
「今まで通りの方がいいな」とか
「変えずに今まで通りやってほしいです」と
言われたことも何回もあります。

そのお客さまの
お気持ちもよく分かります。

こんなふうに、
サービス内容を変えるかどうか
迷ったときには、

「これまで通り続けるか」
「変えるか」という
枝葉の方法論の二択にとらわれずに、

「そもそも自分が提供したいものはなにか」という
本質をしっかり見ることが大事です。

今回の歯科クリニックさんの場合なら、
「地域医療に貢献したい」というのが、
そもそもやりたいことの本質です。

診療時間が8時までなのか、
7時までなのかというのは、
「地域医療への貢献」を実現するための
方法論の1つにすぎません。

そのクリニックは開業4年目。
まだ新しく、院長先生もお若い方です。

おそらく
「患者さんのために
地域医療に貢献したい」という
想いを持って開業され、

最初は「仕事終わりにも通いやすい
診療時間の設定」によって、
地域医療へ貢献しようとしたのでしょう。

ところが4年間診療を続けていく中で、
それでは従業員満足を高めることが難しく、
優秀な人材の定着が
難しいことがわかってきたのでしょう。

そこで
「地域医療に貢献する」という
本質を実現するための方法を改めて考え、
診療時間の短縮を決められたんだと思います。

つまり、
診療時間が何時までであろうと
「地域医療に貢献する」という
目的・本質は何ら変わることがありません。

「何時までやるかという
枝葉にとらわれるのではなく、
本質をより満たせる方法を選ぶ」
という視点で考えることが大事です。

時代の変化に応じて
本質を叶える方法は変わる

今どきは、残業禁止であったり、
フレックスであったり、
1時間単位で有給が取れるような
企業も増えてきています。

フリーランスや在宅勤務で、
自由な時間で働いている方も
かなり多くなってきています。

「平日の日中は絶対仕事を抜けられない」
という人の絶対数は
少なくなってきているはずです。

だからサービス業や援助職の人だけが
長時間拘束されないといけない理由は
どこにもありません。

時代の変化とともに
本質を満たせる方法論は
どんどん変わっていきます。

「遅くまで開けておくことが
患者さんのためだ」というような
方法論にとらわれすぎてると、
本質を見失ってしまいます。

どれだけ頑張っているかではなく
本質を叶えられているかどうかが大事

また、変えるかどうか考えるときに、
「頑張ればできる」とか
「どうしても無理ってなるまで頑張ります」
という根性論の方も
ときどきいらっしゃいます。

ですが、大事なのは
限界までがんばることではありません。

「限界まで頑張らなければならない」と、
とらわれているのは
相手のためじゃなくて、
自分しか見ていないのかもしれません。

厳しい言い方をすると
「限界までがんばっているからいいんだ。
正しいことなんだ」という自己満足で、
それが本当に
地域医療への貢献になっているかという視点が
忘れ去られてしまっているかもしれません。

限界までがんばっているかどうかではなく、
「地域医療に貢献する」という
目的を果たすために、
自分が持っているリソースを、
何にどう投入していくのが一番効果的なのか
という視点で考えましょう。

(リソースとは、
時間やお金、エネルギー、人材、情報など
自分が使える資源のことです。)

唯一の正解はない。
選んだ方の結果がついてくる。

例えば、今回のケースであれば、

「夜遅くまでの診療は
一番やりたいことだから
どうしても続けたい。
辞めるスタッフが出てくるのは
ある程度は仕方がない。
だから採用や新人教育に
時間やコストやエネルギーを投入し続けよう」

という選択をする人もいると思います。

私が通ってるクリニックのように
「診療時間を短縮し、人材の定着を図り、
採用や新人教育にかかる
時間やコストを削減していこう」
という選択をする人もいます。

その削減した
時間やコストやエネルギーを
長期的な人材育成とか、
働きやすい職場環境作りに投入し、
診療の質をさらに
上げていこうという選択です。

どちらを選ぶかは
その人の価値観や
何を大事にしたいかによります。

唯一の正解が
決まっているわけではありません。

自分が選んだ価値観に応じた
人間関係や外部環境、結果がついてきます。

いろんな取り組みがつながっている人と
散発的になっている人の違い

私もこれまでコンサルとか、
セミナーのテーマやコンセプトを
何度も変えてきました。

プライベートでも
いろんな趣味があったり、
旅行にたくさん行ったり、
インテリアの勉強もしています。

「いろんなことをやってますね。」
「え?インテリアも始めたんですか!?」
「いったい何を目指しているんですか?笑」と
びっくりされたり、
いろんなことを散発的にやってる人という
イメージを持たれることもあります。

ですが、
私の中では全部つながっています。

私は全然いろんなことは
やっていないんです。

私は創業当初からずっと、
「働く人がもっと幸せに
働けるように支援をする」

ただそれだけをやり続けています。

具体的なコンテンツの中身は
ストレスケアのお話をすることもあれば、
ライフキャリアデザインについて
お話をすることもあれば、
インテリアのお話をすることもあり、
時代やニーズによって変わります。

インテリアの勉強をしたのも
コロナになって
急に在宅勤務になる人が増えたからです。

リビングの小さなテーブルで
小さなノートパソコンで
姿勢を悪くして一日作業して、
眼精疲労や腰痛になる人が増えたり、

家族と動線がぶつかり合って
お互いにストレスになったりする、
そんな問題が見えてきたので
インテリアの勉強しました。

住環境やオフィス環境も
幸せに働くためにすごく大事ですからね。

実際に学んでみて、
自分自身もすごく楽しかったですし、
セミナーやコンサルにも
とても活かされています。

「働く人がもっと幸せに
自分らしく働く」という支援に
厚みが増したなと、
自画自賛ながら思っています(笑)。
(↑自分で言うな~!笑)

こんなふうに
いろいろやっているように見えて
本質は一つだけ、という人もいれば、

いろいろやってるように見えて
本当にいろんな情報に振り回されて、
いろんなことに散発的に手を出して
すべてが中途半端という人もいらっしゃいます。

そうなると時間とエネルギーが
いろんなところに分散し、
成果が出にくく、とてももったいないです。

枝葉の方法論にとらわれすぎず、
自分が提供したいものは何か、
自分はどう生きていきたいのか、
どんな働き方をしていきたいのか、
本質をしっかり捉えられるようになると
効果的です。

迷ったときには本質を確認してみましょう。

本日のまとめ

サービス内容を
変えるかどうか迷ったときには
そもそも自分が
提供したいものは何?と、
本質を確認しよう。

自分らしく幸せを実現する
ライフキャリアデザインについて
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