キャリアコンサルタント
心理コンサルタントの常光です

今日のテーマは、
「完璧主義とうまく付き合う方法」です

動画でもご覧いただけます

「完璧主義をやめたい、どうしたらやめられますか」
というご相談を、とても多くいただきます

完璧主義な方は理想が高いため、
次のようなお悩みがとても多いです

  • 理想と現実とのギャップにストレスや焦りを感じる
  • 必要以上にやりすぎて疲れてしまったり、
    燃え尽きてしまったりする
  • 完璧な理想と今の自分を比べて
    いつまでも自分に自信が持てない
  • 他人にも完璧を求めてしまって
    人間関係がうまくいかない、ストレスがある

完璧主義をやめようとすると逆効果

結論から言うと「完璧主義をやめよう」と
思わない方がいいです

完璧主義な方は
高い精度が求められるような仕事や
何かを極めたり追求するような
クリエイティブな仕事にはとても向いています

ですから、完璧主義自体は悪いことではありませんし
やめる必要はありません

「完璧主義をやめよう」と思うより、
完璧主義な所があるという自分の特性を知り、
受け入れ、どう活かしていくかを考えた方が
成果につながります

そもそも完璧主義な人は
完璧を追求すること自体が楽しかったり、
やりがいを感じたり、好きだったりします

完璧主義でない人から見たら
「なんでそこまでこだわるの?」とか
「そこまでこだわってたらしんどいでしょ?」と
見えますが、

本人は細部にとことんこだわり、追求し、
高い理想を追い求めて頑張って、
その結果、何かがより良くなるのが嬉しい。

つまり、好きでやっているのです

完璧主義ではない人が
「そこまでやりたくないのに
完璧を求められてつらい」というのとは全く違います

ご本人の中に完璧でありたい、こだわりたい、
追求したいという内発的なモチベーションがあるので

それをやめた方がいいとか、
それはダメだと言われても
なかなか変えるのは難しいのです

「変えなければ」「でも変えられない」と
アクセルとブレーキを両方踏むような状態になり、
かえって逆効果になることが多いです

ですから、「完璧を目指すということ自体は
やめる必要がない」と受け入れるほうが効果的です

同時に「完璧な現実は絶対にない」と
認識することが大事

しかし、同時に
いくら完璧を目指して頑張っても
「完璧な理想が現実になることは絶対ない」
という事実も認識しておくことが必要です

例えば、プロ野球選手でも
3割打てたらすごいバッターです

つまり、7割は打てていないという現実があります

どんなにすごい選手がどんなに完璧を目指して
ストイックに努力していても
毎回ヒットやホームランが打てて
10割の結果になることは絶対ありえません

それが現実であり、それでいいのです

完璧主義とうまく付き合い活かす方法

プロスポーツ選手の方は完璧主義の方も
とても多いでしょう

日頃の練習や、普段の食事や生活習慣なども
かなりストイックに完璧を目指して努力できる、
そういう資質がないとプロとして成果を出すのは
難しいです

また、それを嫌々やっているわけではなく
そんな風に追求して自分を高めていくのが
お好きな方が多いでしょう

好きでなければ子どものころから何十年も
ストイックに努力を続けることはできません

さらに、たとえばプロ野球選手なら
毎回打席に立つときには
「必ず打ってやろう」という意気込みで
臨んでおられるでしょう

「7割は打てないんだから、
別に今日打てなくてもいいか」などとは
思っていないはずです

一方で同時に「10割打てることは絶対にない」と
いう現実も受け入れています

ですから、三振した時には
悔しそうにはされますが

ケロッとベンチに帰ってきて、
次の打席に備えたり
次のプレーに集中します

三振した時にそのまま打席に崩れ落ちて
「はー……プロなのに打てなくてダメだー
この世の終わりだー」ぐらい落ち込んで
試合の流れを止めてしまうようなことにはなりません

このように完璧を目指して努力して追求しつつも
同時にいつも完璧なんてことはあり得ないという
現実を受け入れる

この理想と現実のギャップ、幅を
受け入れられることがとても大事です

完璧主義な方は常に高い目標を目指しているので、
理想と現実のギャップが大きいはずです

ですから、この幅を持って物事を見られるように
物の見方や考え方を
トレーニングをするのが有効です

完璧主義が裏目に出てしまうとき

完璧主義が裏目に出てしまう時は
理想と現実が重ならないといけないと
思い込んでしまっている時、

つまり、幅をもって見られず、
「完璧でなくてはいけない」という
点でしか見られなくなっている状態です

「10割バッターでなければ
プロとして失格」というくらい、
ものすごく非現実的な高い目標を自分に課し、

理想と現実が重なっていない状態を
失敗とか、努力不足とか、おかしいと
捉えてしまっている状態です

これではいつも自分を責めたり
「何でこんなこともできないの?」などと
チームの人を責めたりすることにもなります

とても苦しいですし、
長期的に見ると成果にはつながりません

「理想と現実は重ならないものなんだ」と
幅を受け入れられていれば
高い理想を目指しつつも
自分や人を責めて苦しくなることは避けられます

すべての打席がホームランになるわけがない

仕事をしていると、
時々すべてがかみ合い、
とても嬉しい成果につながったり、

チームで達成感を感じ合ったり、
お客様からとても嬉しいお言葉を
いただくこともあります

これはホームランです

完璧主義な方は
高い精度で質のいい仕事をされたり
努力家で人より早く成長できる方も多く、

こういったホームランの経験を
お持ちの方も多いと思います

とても気持ちがよく快感ですし、
また次もこんな風に仕事がしたいなと
モチベーションになります

そうして仕事を楽しく頑張れたり、
さらに成長できたりという
好循環につなげていければ素敵ですね

しかし、
「毎日をホームランにしなくてはいけない」とか
「ホームランが当たり前」と
思うのは非現実的です

ホームランを打てなかった時に
自分を責める必要もなければ、
チームメイトを責めたり、
恨んだりする必要もありません

「今日はホームランじゃないけど、
ヒットは打てた」と、
ちゃんとできているところを認めたり

三振だったり、今日はずっとベンチにいて
全然活躍できなかったなという日も、
「悔しかったけどこんな日もあるさ」と
ケロッと帰ってきて
ご飯を食べてお風呂に入って
また明日に淡々と備えていく

このように完璧ではない現実、
7割は打てないという現実と
付き合っていくことがとても大事です

「完璧主義と完璧に付き合わなければ」という
完璧主義に注意!

これは口で言うのはとても簡単ですが
実際にはなかなか難しいです

そして、それでいいんです

「完璧ではない現実も受け入れられる
自分にならなきゃダメだ」と
思うこと自体も完璧主義です

こんな風に完璧主義と
うまく付き合っていけたらいいなという理想と

でも、実際にはなかなか難しいという現実
ーー例えば、非現実的な目標設定して
焦ったり、ストレス感じることもあるよねとか

2割3割ぐらいでも
うまく付き合うことができれば
もうそれでいいんじゃないかなという現実、

この理想と現実の幅をそのまま
「そんなもんなんだよな、それでいいよな」と
受け入れていきましょう

完璧に自分をコントロールしなきゃと思うより、

「あぁ、また完璧主義で、
あり得ない非現実的な高い目標設定しちゃってる」
という自分を客観視して
「またやってる。我ながらしつこいなぁ。面白い」と
ちょっと笑って見られたらいいですね

現実を完璧にするたった一つの方法!?

さてこれまで、「現実が完璧なんてありえない」と
お伝えしてきましたが、
実は現実を完璧にする方法が一つだけあります

それは実は簡単で
「絶対に失敗しないような環境を選ぶこと」です 

例えば、大谷翔平選手がリトルリーグでプレーしたら
10割バッターになるのではないでしょうか

子供たちの中で、一人でっかい大人がプレーして
「10割バッター、常にコールド勝ち」です

一つ一つの試合の結果だけ見たら
完全勝利で完璧かもしれませんが
そんな大谷選手は見たくないです

全然かっこよくないですし、
子どもは憧れないでしょう

むしろ、「あのおっさん、
いつまでリトルリーグ出てくるねん
あんな大人にだけは絶対になりたくない」
などと思うのではないでしょうか

これでは短期的には完璧でも
長期的には全然完璧ではありません

短期的な完璧にこだわりすぎると
このように長期的には全く完璧ではない
ちぐはぐなことになってしまいます

絶対に失敗しない
コンフォートゾーンにい続けようとして
チャレンジできず、成長できなければ
完璧主義が裏目に出てしまいます

失敗しないことや、短期的な完璧にとらわれずに
長期的な視点、バランスを持つことが
やはり大事です

1日1日を見たら全く完璧ではなく、
いい日もあれば、イマイチな日もあるさ
何だったらイマイチな日の方が多いよという

デコボコの毎日でも
長期的に振り返ってみたら

「まあまあ充実してたかな」とか
「楽しかったな」とか
「やりたいことばかりやってるわけじゃないけど
程々にやりたいこともやれたし、良かったな」

自分なりにそんな風に思える生き方ができたら
とても幸せではないでしょうか


常光瑞穂(じょうこうみずほ)
キャリアコンサルタント/心理コンサルタント
やりたいことを実現し価値を創造する、人と組織のWin-Winで幸せな関係性をつくるための問題提起とサポートをしています。