仕事や活動にモチベーションが
湧かなくなっている時は、
「これやって一体何になるんだろう?」と
自分にとっての意味が見えなくなっている時です。

人間は意味が感じられない活動は
続けられません。

逆に自分にとって意味を感じられることは
自然とモチベーション高く取り組めます。

動画でもご覧いただけます

自分にとって意味がある活動には
自然とモチベーションがある

たとえば、ご自分のお子さんが病気になって
多額の手術費用が必要という状況なら、
多くの親御さんが
募金やクラウドファンディングなどで
手術費用を集めるために奔走されると思います。

その時に「モチベーションをどう高めようか」
なんて考えてないでしょう。

「子どもを救うため」という
自分にとって意味がある活動だからやる。

それだけだと思います。

つまり、募金やクラファンという行為そのものが
やりたい活動で楽しいから
モチベーションが湧くわけではなく、

「我が子を救うため」という
自分にとって大きな意味がある活動だから
モチベーションが自然とある状態です。

仕事にモチベーションが
湧かなくなくなっているとき

仕事も同じです。

その仕事に自分にとっての意味を
感じられるかどうかが、
モチベーションに大きく影響します。

クライアントさんから
「最近モチベーションが湧かなくて」という
ご相談をお受けすることもよくあります。

たとえば、ある仕事や活動を
始めたばかりの時には
新しいことを覚えたり、
分かりやすく自分が成長していけるのが
実感しやすいので意味を感じやすいですね。

しかし、慣れてきて
当たり前にできるようになってきて、
漫然とこなすだけになってしまったり、
次の目標が見えなくなってしまうと
「これ続けてこの先どうなるんだろう?」
「いつまでこの生活続けるんだろう?」と
意味を感じられなくなることがあります。

そんなときにうまくかなくて
結果もついてこなかったりすると
つらいですね。

そんなふうに意味を見失ったまま
「仕事なんだからがんばらないと」
「モチベーションを高めないと!」と
頭だけで考えても
モチベーションは高まりません。

自分にとっての意味を見出していくことが
必要になります。

自分にとっての意味を見つけるには?

「最近モチベーションが湧かない」という
クライアントさんには、
私はよくこんな質問をします。

「たとえば5年後、10年後、
どんなふうになっていたいですか?
めちゃくちゃ漠然とでいいし、
仕事と全然関係ないことでもいいので、
心からこんなふうだったら嬉しいなーという
イメージがあれば、教えてもらえますか?」

こんな質問からはじめて、
その方が本当に心からワクワクする
「こんな未来をつくっていきたい」
「こんな未来を手に入れるためだったら
普通にがんばれる、というか
がんばろうと思わなくてもやりたい」という
イメージを一緒に見つけていきます。

質問してすぐに
「こんな未来をつくりたいです」という
答えが出てくるわけではなく、
「何かなぁ?」っていろんな話をしながら
一緒に見つけていく感じです。

そしてワクワクする未来のイメージが持てたら
その未来ををつくっていくために、
「今やっている仕事や活動には
こんな意味があるな」とか、
「今の環境でこんな経験を積むことが
理想の未来をつくるために必要だな」という
自分にとっての意味が見つかれば、
自然とモチベーションは湧いてきます。

たとえば「将来管理職になったり起業したり、
人をマネジメントする立場にもなっていきたい、
出世とかすごいポジションになること
ばかりではなくて、
人間的に魅力ある人になって、
一緒に働く周りの人を元気づけたり、
いい影響を少しでも与えられるような人に
成長していたい」

そんなビジョンが明確になったら、
5年後のそんな自分を作るために、
「今いる環境でマネジメント力や
コミュニケーションスキルを
身につけられそうだな」とか、
「この経験が役立ちそうだな」という
自分にとっての意味が見つかることがあります。

すると、同じ環境で同じ活動をするにしても、
自分なりの意味や目的のために
主体的に取り組めるようになり、
モチベーションが湧いてきます。

「理想の未来をつくるために
こんなスキルを身につけたい」という
自分なりの目標が持てれば、
本やセミナー、動画で学ぶこともできます。

そうして勉強すれば、
「こういう時は、こんなふうに
相手に伝えてみよう」というような
具体的な打つ手も見つかります。

すると、たとえば
「職場で揉めることがあって嫌だなー、
あーめんどくさいなー」とか、
何かがうまくいかなくて「しんどいなー」という
状況は変わらなくても、
自分なりに対策ができます。

そうして「次はこうしてみよう」と
自分なりに勉強して準備して
試してみたことがピタッとハマって
うまくいったらめちゃくちゃ快感です。

その成功体験が
また次のモチベーションになり、
自分もスキルアップでき、
スキルアップすると成功体験にもつながる
という好循環がうまれていきます。

ありたい姿は
人生全体から考える

仕事と直接関係するような意味を
すぐには見つけられなくても、
プライベートから発想してもいいです。

たとえば5年後に
「自分の子どもにカッコいいって
思ってもらえるような人になっていたいですね」

そんな未来をイメージする方も
いらっしゃいます。

そこから、では具体的には
「どんな人になることで、どんなところが
カッコいいって言ってもらえたら嬉しいか?」を
考えていくと、自分のありたい姿、
理想の未来が見つかっていきます。

さらに今の環境で
このまま目の前の仕事や活動をがんばっても
自分が目指すビジョンにはなれそうにない

今やっている活動と
目指すビジョンがつながらなくて
意味が見つからない場合には、
環境を変えていくことも必要です。

意味の感じられないことを
続けるのは拷問

人間にとって、
意味の感じられないことを続けるのは
拷問です。

ドストエフスキーが
自分の収監体験をもとにして書いた本の中に
こんなことが書かれています。

「たとえば『バケツの水を他のバケツに移し、
終わったらまた元のバケツに戻す』といった
「全く意味を感じることのできない仕事」こそが
「最も過酷な強制労働」であり、
これを何日もやらされた人間は発狂してしまう」

そんなふうに書かれているんですね。

つまり、人間のメンタルを壊そうと思ったら
実は簡単で、
その人にとって全く意味の感じられない作業を
やらせればいいということですね。

同じ水を運ぶ仕事でも、
この運んだ水で植物が育つとか、
何かを洗うためにこの水が必要とか、
この水を運んだ先にいる人に喜んでもらえるとか、
そこに意味があれば
肉体的にしんどい作業でも耐えられます。

むしろ、植物の生長とか、
洗ったものがピカピカになったり、
人に喜んでもらえて嬉しいなと感じると、
肉体的しんどさよりも
精神的喜びの方が勝ってやりがいを感じます。

でも意味がない活動は
メンタルを壊してしまうくらいしんどいです。

ですから、意味を感じられないのに
「仕事なんだからやらなきゃ」と
突き進もうとしないでください。

目の前のことに意味が感じられなくなったら、
自分は何のために生きてるんだろう?
どんな未来をつくりたいんだろう?

そんなことを考えていくことも大事なことです。

常にモチベーション満タン!
でなくていい

今このコラムを書いている私自身も、
別にいつも自分の活動に意味を感じていて
モチベーション満タンというわけでは
全くありません。

目先のことに一喜一憂して
「あーあ」と思ったり、
モチベーションが湧かない時も当然あります。

漠然とした不安を感じることもあります。

人間ですから、それが自然なことだと思います。

そんな時には
「仕事なんだからやんなきゃ!」とか
「考えても仕方ない」と
自分を押し殺すのではなく、

そもそも何でこの活動を始めたんだっけ?
どんな未来をつくりたいんだっけ?
何のためにやっているんだっけ?と
自分にとっての意味を問い直すようにしています。

すると、クライアントさんに
喜んでいただけて嬉しかったなとか、
やりがいを感じたなとか、

別に私が先生で教えてあげるとか
救ってあげるとかじゃなくて、
クライアントさんから、
私自身が活動する意味付けや元気、
モチベーションをいただいていることを
再確認して、感謝の気持ちがわいてきます。

また、私はこんな未来をつくりたいんだ、
そのためにこれは必要な活動なんだって
自分の初心や本質に立ち返れたら、
自然とまたボチボチやっていこうと思えます。

いつでもモチベーション満タンで
あり続ける必要はなく、
人間だから当然揺れることもあるし、
意味が分からなくなることもある。

その前提で、
見失ったときに思い出せるように、
自分なりに未来をこうしていきたいという
ビジョンが必要です。

また、ビジョンを持っていても
忘れてしまうことがあるので、
ときどき自分に問い直すという習慣が
大事だなと私は思っています。

自分の心に正直に

また、意味を見つけるときに、
自分の気持ちに正直になることも
とても大事ですね。

心からワクワクして
「こんな自分になりたい。
こんな未来をつくりたい」と
心が動くことではなく、

「社会人としてこうあらねば。
それが意味のある人生というものだ」みたいに
頭だけでつくったビジョンでは
全く意味がないし、むしろ悪影響です。

意味を感じるというのは、
頭で感じるのではなく心で感じることですから、
頭だけでつくったビジョンに
無理やり自分の心を従わせようとすると、
心から意味を感じていない活動を
自分に無理やりさせることになります。

これは先ほどお話しした拷問の状態で、
全くの逆効果ですね。

これまでの人生の中で
「意味なんか考えずに与えられたことを
正確に早くこなせるようになることが
いいことだ」という価値観を
刷り込まれている人もいらっしゃいます。

しかし「意味なんか考えずにやれ!」という
押しつけの教育の結果、
イノベーションがうまれなかったり、
閉塞感が高まっているのではないでしょうか。

意味を考えずに心を無にして
ただ目の前のタスクを
たくさんこなせたとしても、
それは生産性が高い状態ではないし、
人間らしい幸せな生活とは言えないと
私は思います。

人それぞれ、大事にしたいことや
価値観は違いますが、
私は自分にとって意味があると思える活動を
していきたいなと思いますし、
自分にとっての幸せって何だろう?とか、
どんな未来をつくりたいんだろう?と
考えるということを
大事にしていきたいなと思います。

というか、意味を感じられない活動を
やり抜くようなことって、
どうがんばっても
自分には出来ないなって思います。

あなたはどう思われますか?

人それぞれ、いろんな考え方、
感じ方があると思います。

私もいろんな方の考え方を知ると
勉強になりますので、
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常光瑞穂(じょうこうみずほ)
キャリアコンサルタント/心理コンサルタント
経営者・ビジネスパーソンが本当のニーズをかなえるための生き方デザインをお伝えしています。


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