このコラムでは、
本当に望む生き方を実現する
生き方デザインの5つのステップの
Step2について詳しくお伝えします。
生き方デザインStep1で
主観や思い込みに気付くと、
やりたいこと、やりたくないことなど、
たくさんのニーズに
気付けるようになります。
そのニーズをそのまま
片っ端から取り組もうとするとタスクが増え、
「あれもやりたい、これもやらなきゃ」と
気持ちばかりが焦ってしまいます。
タスクを実行できても
忙しいばかりで結局何をやりたいのか、
イマイチ充実感や幸せ感のない
人生になることもあります。
また、ニーズの中には一見
相反するように見えるものもあります。
たとえば、
「もっとスキルアップして活躍したい!」ニーズと、
「リラックスしてのんびり過ごしたい!」ニーズを
両方持っている人は多いですよね。
私もそうです。
このままだと
「もっと勉強したい」
「けど、ゆっくり過ごしたい」と
アクセルとブレーキを両方踏むような
どっちつかずな状態になってしまうこともあります。
ですから、具体的なニーズを
そのまま取り組むのではなく、
抽象化していったんコンセプトに
まとめていく作業が必要です。
コンセプトとは、
あなたにとっての幸せな生き方が
どのようなものかという全体像・方向性を示すもの。
「やりたいことがありすぎて
時間が足りない…」と感じる方は、
コンセプトデザインをすると、
思考やタスクがスッキリ。
焦りやストレスが少なくなりますよ。
コンセプトデザインで大切なのは
抽象化して本質をとらえることです。
ここでは、
抽象化してコンセプトを見つけるための
エクササイズを一つご紹介します。
ぜひ一緒にやってみましょう。
まず、自分の好きなこと、
幸せを感じる事=ニーズを
すべて紙に書きだします。
過去に嬉しかったこと、
楽しかったこと、
幸せだったな~、こういう時間が
これからももっと持てたらいいなと思うこと、
思いつくままにすべて書いてみてください。
「仕事」「プライベート」などと分けたり
最初からキレイに整理して書こうとせず、
順不同、箇条書きでどんどん書き出します。
誰に見せる必要もありませんから、
「ちょっと人には言えないけど……」という
秘密のこともすべて書き出してくださいね。
ぜひ紙と筆記用具を用意して
実際に書き出してみてください。
書き出せたら、
それぞれの事柄について
「なぜそれが好きなのか?」
「どうして嬉しかったのか?」と
理由から深堀りして考え、共通点を探ります。
「人の笑顔が好きなんだな」とか
「一人で黙々とできることがリラックスして
楽しめるんだな」とか
共通点が見えてくるでしょう。
いきなり1つの共通点が見つかるわけではなく、
いくつかのグループができることもあります。
その場合は、それぞれのグループに対し、
さらに「なぜこういうことが好きなんだろう」と
深掘りしたり、
このグループ同士の共通点は?と、
深めて考えていきます。
こうして深掘りして考える作業を通じて、
バラバラに見えていたことに共通点が見つかり、
ぼんやりしていたものが明確になり、
まとまっていきます。
「ようするに、私が幸せを感じるのは
こういうことなんだ!」
「これさえあれば私は満足なんだ!」と、
しっくりくるものが見つかったら、
それがあなたの望む人生の
全体像・方向性を示すコンセプトです。
一つ事例をご紹介します。
コンセプトにまとめることで、
思考もタスクも気持ちもスッキリして
成果が出やすくなった
30代女性Aさんの事例です。
Aさんは、今まで楽しかったことや、
嬉しかったことの共通点を探ってみたら、
「自分も周りの人も笑顔」という
コンセプトが出てきました。
それまでは
「仕事をミスなくできるようになったら
自信が持て、家でも笑顔で過ごせて家族も幸せ」
という順序で考えていました。
しかし「ミスなくできる
バリバリな自分になること」よりも、
笑顔でいることが
自分にとっては大事なんだという
本質に気付きました。
「なーんだ、結局みんな笑顔ならそれでいいのか。
我ながら単純w」と、若干拍子抜けしつつ、
やることが一つにまとまってスッキリ。
それまでは仕事でもプライベートでも、
やりたいことや、やらなきゃいけないことが
いっぱいあるように感じ、
頭の中がタスクでいっぱいでした。
それで、一つのことに取り組みながら、
別のことも「あれも忘れずにやらなきゃ」と考えるなど、
思考が分散して集中できていませんでした。
気持ちも焦りますし、
ミスにもつながっていました。
「結局笑顔で過ごせればいい」と
コンセプトが明確になったことで、
焦りが少なくなりました。
一つ一つに集中できるようになり、
成果もずっと出やすくなりました。
微妙だった旦那さんとの関係もよくなり、
お子さんもとても嬉しそうにしているとのこと。
ご自身も「家族や仕事に対する向き合い方など、
内面がすべて入れ替わったような感じで、
とても生きやすくなりました」と喜ばれています。
すごいでしょ?笑
そう!デザインの力ってすごいんです!
この力を少しでも多くの人に伝えたくて、
こうして情報発信をしています。
ぜひあなたにも、
このデザインの力をもっと知って、
幸せな生き方をつくるために活用してほしいです。
本当にやりたいことを見つける方法については
以前に別のコラムでもご紹介しています。
「自分も周りの人も笑顔」だったら
そりゃ幸せでしょうよ、と、
当たり前に思えるかもしれませんね。
しかし、コンセプトは
「この言葉にしたから、やる気になる、
成果が出る」というものではありません。
ニーズを深く考え、
共通項を見つけていく思考プロセス自体に
意味があります。
たとえば、本やSNSで感動する言葉を見つけて、
一瞬は「やるぞー!」と思えても、
やる気が持続しないときはありませんか?
そういうときは深めて思考しておらず、
自分の心から出てきた言葉になっていない、
つまり、
自分のコンセプトになっていないのです。
コンセプトはキャッチコピーではないので、
カッコいい言葉や
独創的な言葉である必要はありません。
ただ、自分が心から
納得するものである必要があります。
私のクライアントさんでも、
講座やコンサルでコンセプトデザインをしても
最初から全員が同じように実現に向けて
進んでいけるわけではありません。
特に最初は、
実現に向けて着々と進めていく方と、
「いやー、忙しくてなかなかできなくて」と
行動できない方に分かれます。
後者の人は、やる気がないとか
本当に時間がないわけではありません。
やる気があるからこそ
セミナーやコンサルを受けておられますし、
時間はみんなに平等にあります。
「忙しくてなかなかできない」という方は、
コンセプトが自分の納得いくものに
なっていないのです。
この状態でそのまま
「何とか時間をつくってやらなきゃ!」と
がんばってしまうと、
心から納得いっていないコンセプトの人生を
がんばってつくってしまうことになります。
それはいけませんね。
ですから、こういうときは、
行動できていない自分を責めたり、
気合や根性だけでムリに
がんばろうとしないでください。
「コンセプトが心からのものに
なっていないんだろうな」と気づいて、
本当に自分が心からやりたいこと、
これさえあれば満足と思えることって何だろう?と
自分の心に問いかけ、
もっと深めて考えるプロセスが必要です。
ニーズからコンセプトを見つけていくときに、
1つ注意点があります。
「仕事のコンセプトはこれ」、
「プライベートのコンセプトはこれ」と、
各部分をバラバラに考えるのはNGです。
コンセプトは人生全体の方向性を表す
「全体像」である必要があります。
部分最適の積み重ねは全体最適にはなりません。
必ず最初に全体像のイメージからはじめ、
その全体像を実現するための
各部分の詳細を決めます。
この順番がかなり大切です。
キャリアには二つのとらえ方があります。
「ワークキャリア」は、
報酬が伴う仕事だけをとらえたもの
(図の黄色の部分)。
「ライフキャリア」は、報酬が伴う仕事と、
家庭生活や趣味、ライフワーク、地域活動など
報酬が伴わない活動の両方をとらえたもの
(図の黄色+グリーンの部分)です。
生き方デザインをするときには、
「ライフキャリア」の視点を持ちましょう。
ワークキャリアとそれ以外を別々に考えていると、
仕事とプライベートのバランスを欠いたり、
仕事をがんばれば
プライベートがおろそかになるなど、
あちらを立てればこちらが立たず、
部分同士の足の引っ張り合いになってしまいます。
「どんな生き方にしたいですか?」とお伺いすると
「仕事もプライベートも充実したい」というニーズを
お答えになる方はかなり多いです。
「私にとって幸せな
仕事もプライベートも充実した生き方とは
このようなものだ」という全体像の
コンセプトから考えていく必要があります。
全体像がないままに
「仕事もプライベートも充実したいから、
仕事ではまずこれをがんばって、
プライベートはこうして」と
バラバラに考えてしまうと、
全体最適で理想の生き方を
デザインすることはできません。
具体的な一つ一つの事柄を抽象化して
コンセプトを見つけていく作業は
慣れないうちは大変だったり、
訳が分からないと思う人もいます。
しかし、これはとても大事なプロセスなので、
スキップせずに取り組み続けることが大事です。
頭の良さには二種類あります。
一つは「知識量の多さ」という横の広がり、
もう一つは物事をより深くとらえられる
「思考の深さ=思考力」です。
本質を捉えるために必要なのは、
深く考えられる思考力です。
物事を抽象的にも具体的にも捉えられ、
表面に見えていることだけではなく、
背景や目に見えない意味をとらえ、
共通点を見つける力が必要です。
「本質が分からない」
「コンセプトにまとめられない」という悩みは、
思考力を鍛えることで解決できます。
Step2で、自分にとっての大切な本質を
深く問いかけること自体が
思考力を鍛えるための脳の筋トレになります。
その繰り返しで、
本質を深く考える思考力が身につき、
本質がとらえられるようになります。
考えても分からないから
とにかくやってみよう!と、
ただ行動することを前向きと勘違いしていたり、
深く思考することを
「悩むのはよくないことだ」と
誤解している人がいます。
しかし、自分にとって何が大切か、
何が幸せかという本質を考えることは
とても大事なことです。
考えるばかりで行動できない頭でっかちとか、
やるべきことを先延ばしにしている状態とは
全く違います。
忙しい現代社会では
とにかく早く行動しなきゃ!と、
急かされている気持ちになってしまうことも
多いものです。
しかし「自分にとって一番大事な
本質を見つけること」よりも
大事な予定なんて、他にあるのでしょうか?
人生で一番といっていいくらい
大事なことですから、
立ち止まってしっかり考えることも必要です。
焦らなくて大丈夫です。
ここで焦って深く思考することをしないと
いつまでも表面的な課題ばかり
追うことになってしまい、
本当に望む生き方を実現することはできません。
思考力を身につけたいとは思うけど、
一体どうやって取り組めばいいんだろう?と、
途方に暮れてしまう方もいらっしゃいます。
一人でがんばろうとせずに、
ぜひセミナーも受けに来てください。
身体の筋トレも
自己流で間違った方法を続けて
ケガをしてしまうより、
トレーナーにフォームを見てもらって
正しいやり方を身につける方が効果的ですね。
生き方デザインもそれと同じです。
少人数制でご質問にお答えしたり、
個別にアドバイスもできますので、
きっとヒントが見つかります。
また、期間限定公開中の
PDF教材の中に体験セミナーが
半額で受講できる「合言葉」があります。
こちらもぜひご活用くださいね。
深く考えられる思考を身につければ、
生き方のコンセプトを見つけ、
一番大事な本質に集中し、
全体最適で理想の生き方をつくっていくことができます。
また、思考力は生き方デザインだけではなく、
普段の仕事や人間関係にも活かされます。
あなたの周りに、ズバッと要点をとらえて、
仕事が早い!という人はいませんか?
人付き合いでも、
いつもべったりというわけではないけど、
ここぞという絶妙なタイミングで、
絶妙なサポートをしてくれる、
ありがたーい人はいませんか?
そういう人たちはおそらく、
本質をとらえる思考力があるのです。
情報過多で忙しい現代社会、
すべての情報に反応していたら
とても時間が足りず、身が持ちません。
思考力があれば、
自分にとって大事な本質が分かるだけではなく、
ご家族やお仕事相手の方にとっての
大事な本質も分かります。
「あれもこれもやらなきゃ」と
アンテナをはりめぐらせるのではなく、
要点だけを押さえて、
相手も幸せにすることができます。
つまり、思考力はどんなキャリアにも役立つ
最強のポータブルスキル。
スキルアップしたいけど、
何に取り組めばいいだろう?と迷っている方は
思考力を身につけることをおススメします。
また、コンセプトデザインを行い、
深く思考する中で、
気付いていなかった本当のニーズに
気付くこともあります。
一つ事例をご紹介しましょう。
専門職のBさんは、
自分の知識で人の役に立てる
今の仕事にやりがいを感じています。
しかし、何だか疲れてきた……
この生き方をこれからもずっと
続けるのはしんどいな……
そんな想いに気付き、
生き方デザインに取り組み始めました。
Step1で現在地=今の自分を確認すると、
やりたいことを
「こんなことは目標にはならない」と
無意識に切り捨て、
「他の人はもっとがんばっている!」と
謎のプレッシャーを自分にかけ、
ストイックに生きてきたことに気付きました。
そんな自分に気付くと、
好きなことや、やりたいことなど
さまざまなニーズが見えてきました。
そこでStep2に進み、
そのやりたいことの理由を深掘りしたところ、
すべてが「人の役に立ち、
喜んでもらえて嬉しいからやりたい」という
理由であることに気付きました。
それを自分で振り返ったときに
「やっぱり人の役に立って喜んでもらえる
生き方っていいな」としっくり来て、
嬉しい気持ちになるなら、それがコンセプトです。
しかし、Bさんの気持ちは違いました。
自分で記入したワークシートを見て、
「うわ……これは好きでやりたいというより、
『人の役に立たないとダメ』って
自分にプレッシャーをかけている感じ。
こんなコンセプトの人生はイヤ」
そんなご自身の気持ちに気付きました。
見るだけで「ううー。しんど」と
思うようなものを
コンセプトにしてはいけませんね。
そこでBさんは再びStep1に戻り、
「人の役に立ちたい」というニーズ以外に
こうありたい、こうしたいという
心の声はないか?と
自己理解に取り組みました。
そして、こんなことに気付きました。
その自己理解から、
「心から楽しみ、幸せになることを許す」という
コンセプトを決めました。
そのコンセプトなら
心からしっくりきて取り組むことができました。
その結果、肩の力を抜いてラクに
仕事ができるようになりました。
ご家族との時間やご旅行、趣味も
心から楽しめるようになりました。
お子さんと一緒にいるときに
久々にお腹を抱えて笑った自分に気付き、
とても嬉しかったそうです。
お仕事相手の方々からも
「最近楽しそうですね」
「表情が穏やかになりましたね」と言われ、
評判は上々。
罪悪感や不安から
ダラダラ仕事することもなくなり、
生産性も上がったそうです。
Bさんのようにコンセプトデザインで
深く思考することで改めて、
自分の主観や思い込みに気付くことも
とてもよくあります。
その時は、そのまま進まずに
いったんStep1に戻り、
自己理解を整理しましょう。
自己理解は一気にできるのではなく、
玉ねぎの皮をむくように
少しずつ見えてきます。
人間は多面的ですし、
日々成長したり変わっていく面もあります。
自己理解が100%できている人はいません。
もちろん私もそうです。
日々、「へぇ~。こんな自分もいるんだ。
意外にこういうとこあるんだな」という
発見ばかりです。
新たな自分を発見するプロセスは一生続きます。
その少しずつの発見を
「まだ自分のことが分かってなかった」と
なげくのではなく、
「また一つ見えた!」と喜んでいきましょう。
毎日新たな自分に出逢えるなんて
楽しいじゃないですか。
このように
生き方デザインの5つのステップは
Step1の自己理解が完璧にできてから
次のStep2に進む
というものではありません。
ある程度自己理解ができたなと思ったらStep2に進む、
進む中でまた気付きや違和感があったら
そのまま進まずに
いったんStep1に戻って自己理解を整理する
そんなふうに進めていきましょう。
「私にとっての幸せな生き方とは
結局こういうことか。
これさえあればいいのか」という
コンセプトがまとまってきたら、
次はStep3【調べる】リサーチです。
そのコンセプトの方向性について
情報を集めていきます。
ここも順番を間違えるとうまくいきません。
「私にとっての幸せとは?」を
考えていない、深められていないのに、
人の成功事例ばかり聞いて情報収集してしまうと、
「あれもやっておこう」
「この人みたいにがんばらなきゃ」と
タスクが増えて
バラバラになってしまいます。
ですから、この順番もかなり大事です。
まずは自分に問いかけ、
心の声を聴いて、本当に求めていることを
じっくり考えてから、
次のStep3に進んでくださいね。
何度も言いますが、焦らなくて大丈夫ですから。
常光瑞穂(じょうこうみずほ)
キャリアコンサルタント/心理コンサルタント
経営者・ビジネスパーソンが本当のニーズをかなえるための生き方デザインをお伝えしています。