経営者・ビジネスパーソン専門
コンセプトデザイナー/
心理コンサルタントの常光です。

「自分らしく幸せなライフスタイルや
キャリアをつくるために
一番大事なものは何ですか?」

以前こんな質問をされたことがあります。

特に答えを用意していたわけでは
ありませんでしたが、
「自己肯定感です」と食い気味に秒で答えました。

自分らしく幸せなライフスタイルや
キャリアを創っていくうえで、
自己肯定感はそのぐらい一番大事なものだと
私は思っています。

今日は、自己肯定感について解説していきます。

動画でご覧になりたい方はこちらから

自己肯定感とは?

自己肯定感は、文字通り
「自分で自分を肯定する感覚」です。

「自己肯定感は大事」
そんな言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。

すでに自己肯定感を高めるために
ご自身で何か意識されたり、
取り組んでいらっしゃる方も
多いかもしれませんね。

「自己肯定感」はよく知られている言葉ですが、
とても誤解されている言葉でもあります。

私のクライアントさんでも
分かっているつもりで自分なりに
取り組んでいたのに、誤解していた。

そして誤解していたから、
せっかくの取り組みが悪循環や
逆効果になってしまっていた。

そういう方もとても多くいらっしゃいます。
すごくもったいないです。

自己肯定感とは、
「自分で自分を肯定すること」ですから、

自己肯定感が高い状態というのは、
自分で自分を肯定している状態のことです。

何かができたかどうか、できるかどうかという
能力や成果にかかわらず
今のありのままの自分に存在価値がある。

ありのままの自分でいい。

と、感じられている状態のことです。

自己肯定≠自分を好きになること

自己肯定感が高い=
自分を好きになること、と
誤解している方もいます。

「肯定」を辞書で調べてみると次の通りです。


そのとおりであると認めること。
また、積極的に意義を認めること。
⇔否定。
出典:デジタル大辞泉(小学館)


「好き」という意味はありません。

肯定はイエス。
「その通りです」という意味。

否定はノー。
「それは違います」という意味です。

肯定が好きで
否定が嫌いということではありません。

「肯定する」ことと「好き」は
全く違う概念ですから、
混同しないことが大事です。

自己肯定は、
自分を好きになることではありません。

ありのままに自分を観察し、
そこで起こっている事実を
「自分にはこういう部分もあるな」と
気が付くことから自己肯定ははじまります。

自分について観察した事実が
好きであろうと嫌いであろうと
「事実そうなんだから仕方がないか」とか
「まぁそういう一面もあるよな」とか
「常にいつもそうではないけど
確かにあの時そうだったから
自分にはそういう一面もあるんだな」と、
事実として認める。

それが自己肯定です。

自己肯定感が高い状態は、
「自分のこういうところはちょっと嫌だな」と
思っている自分もありのままに
「そこが嫌だなと思っている自分がいるな」と
受け入れます。

無理に自分を好きになる
必要は全然ありません。

自分が嫌だと思っている点を
「でも素晴らしい一面でもある」などと
無理やりポジティブに変換する必要もありません。

自然と変換できるなら
それはそれで素敵なことではありますが、
心から思えていないのに
表面上だけ無理やりポジティブに
変換しても意味がありません。

ですから、
自己肯定感が低い状態は、
自分が嫌いということとは違います。

ありのままの自分を観察できておらず、
「こういう一面がある」という事実に直面しても

「いや、それは違う」
「そんな自分ではいけない!」
と、ありのままの事実を受け入れてない状態です。

また、自分にとって
不都合な事実に気付かないように
無意識の思い込みで自分を守っていて、
自分のことがよく分かっていない状態も
自己肯定感が低いと言えるでしょう。

その状態だと
自分の強みにも弱みにも気付けません。

また、自分が本当にどんな人生を
生きていきたいのかという
本当の自分のニーズに気づくこともできません。

それでは、どんなに能力が高くても
自分らしく幸せな生き方やキャリアを
創っていくことはできません。

むしろ能力が高い人ほど
自分がやりたいことや
自分が生きたい人生ではなく

「できるからこういう生き方をしなければ」
「これができるのに
活かさないともったいない」
と、人からはすごいねと言われるけど
本当にやりたいことではない
生き方やキャリアを
選んでしまうこともあります。

成果は出ているけど
ストレスでいっぱいとか、
充実感や幸せ感がない状態に
なってしまうこともあります。

ですから、
幸せなライフキャリアデザインをする上で
自己肯定感を高め、ありのまま自分を
観察できる力を身につけることは
とても大事なことなのです。

無理に自分を好きになろうとするのは逆効果

自己肯定を自分を好きになることだと
誤解してしまっていると
逆効果になることが多いです。

そもそも
「自分を好きにならなければならない」という
フィルターを通して自分を見ている時点で
客観的な観察はできません。

だから、ありのままの自分を
理解できないのです。

ありのままの事実ではないものを
「はい。その通りです」と肯定はできません。

また、無理に「自分が好きなんだ」
「好きにならなければ」と
言い聞かせようとすればするほど

心の中では
「いやいや、でもこんなダメなとこもあるし」と
認めたくない面や嫌いな面が
余計目に付くようになってしまいます。

それでも無理やり
「自分を好きにならなければならない」というのは
自己肯定ではなく自己否定です。

「自分のこういうとこはちょっと嫌だ」とか
「受け入れがたいな」と思っている
ありのままの気持ちを
「そんな風に思うのはいけない」と否定して
事実として認めていないからです。

自分について
事実をありのままに観察した結果、
いろんな面が見えてきて

「ダメなとこもいっぱいあるし、
人間だから完璧では全然ないけど、
でもまぁなかなか頑張ってる部分もあるし、
いいところもあるよな」とか

「自分ではこの部分は嫌いだけど、
友達からは
そこがチャームポイントだよって
言ってもらえることもあるし、
そんなに頭ごなしに
こんな自分はダメ!って
否定するものでもないのかな」とか

「自分みたいな人が
地球上に一人ぐらいいてもいいかな。
それも多様性だよね」などと

自然に思えて
自分を好きになれたら
とっても素敵なことだと思います。

私のクライアントさんにも、
そんな風に
ありのままに自分を観察して肯定する
自己肯定を続けた結果、

自分のことが好きなったという方も
とても多いです。

自分自身は一番のパートナー

自分というのは24時間365日
一緒に過ごしている人間です。

それが80年、90年、100年とか
一生続きます。

その人生のパートナーである
自分自身に対して

「まぁまぁいい奴じゃん」とか
「好きだな」と思えている方が
様々な行動もやりやすく、
成果も出やすいです。

だから自分を好きであるに
越したことはないです。

しかし、それは
自己肯定を続けた結果として
起こることであり、
好きになろうとして
なれるというものではありません。

対人関係を思い浮かべていただくと
分かりやすいでしょう。

最初はちょっと苦手だなと
思っていた人でも、
一緒に仕事をやっていくうちに

「あ、意外に深いこと考えてるんだな」とか

「この人のこういう行動には
こういう理由があったのか」とか

いろんな面が見えてきて

「あぁ、最初苦手だったけど、
自分とは違うタイプだけど、
この人はこの人のやり方でいいんだな」とか

「結構好きかも。
自分にない刺激を与えてくれる人かも」などと

いろんな面を
知っていくうちに自然と
相手を好きになっていくことはあります。

ただ、ちょっと苦手意識がある人を
「これから一緒に仕事をする
大事な仲間なんですから、
必ず好きになってください」と
言われたらどうでしょう。

そんなふうに
「好きにならなければ」って言われて
人って好きになれるものでしょうか?

そもそもよく知りもしない人を
好きにはなれません。

ありのままに知っていく中で
いろんな面が見えてきて
相手を理解できるようになっていって
だんだん好きになっていく。

その順番を間違えないことが大事です。

自分自身も同じ。
無理に好きになろうとする前に
まずはありのままの事実を観察して
自分を知るところからはじめる必要があります。

今の自分を認めたうえで変えてもOK

自分自身に対して
「こういうところは嫌だ」とか
「我ながらめんどくさ!」とか
思っていても全然OKです。

それは自己否定ではありません。
そう思ってしまっているのは
事実だから、仕方がありません。

事実として受け入れたうえで、
「こういう面倒くさいところを
変えていきたいな」と思うのも自由ですし、

「面倒くさいけど、
もうこれが自分だから仕方ない。
変われない。
このまま付き合っていこう。
友達や家族には
もうそこは我慢してもらおう。
受け入れてもらおう。
その分自分も相手の弱みにも
寛容になろう。」と思うのも自由です。

「今はこんな自分なんだな」という
事実を認めることと、

「未来永劫こんな自分のままでいい」
と思うことは全く別のことです。

ですから、自己肯定して
「今の自分はこうだ」と
認めて受け入れたうえで
将来的にどうしたいかは
また考えていけばいいわけです。

ときどき、
「自分を変えることは、
過去の自分を否定することだ」と
思い込んでいる人がいます。

それは間違いです。

「変わることは
過去の自分を否定することだ」
なんて思ってしまったら、
成長できません。

今の自分を認めたうえで
変えたければ
どんどん変えていけばいいのです。

事実を認めてラクに自分と付き合おう

そしてなぜか
「こんな面倒くさいところもある
自分なんだ」などと
事実を受け入れた方が

「まぁそんな自分も悪くないか」とか
「結構いい奴なのかも」と
自分を好きになっていく方が多いです。

無理に「好きにならないと」と思うと
受け入れにくく、

「こういうとこ嫌なんだ」と認めた方が
「まあでもそれもしょうがないか」と
受け入れやすいというのは
逆説的で、ちょっと不思議な感じが
するかもしれません。

しかし、さきほども例に出した
他人との関係を思い浮かべると
納得いくのではないでしょうか。

あなたが
「ちょっとこの人のこういうとこ
苦手だわ」と思っている
同僚やお仕事仲間がいたとします。

「一緒に仕事をする仲間なんだから、
みんな仲良く好きになりましょう」と
頭ごなしに言われると、
ちょっと反発したくなりませんか。

「仲良くしなきゃ!」なんて言われなければ
別に普通に何の問題もなく
淡々と仕事できる関係だったのに、

わざわざ「好きになろう!」と
強制されると逆効果です。

「いや、それは分かってる。
別に嫌いたいわけではない。
でもこういうところが
合わないんだよ!」などと
説明してわかってもらいたい
気持ちが湧いてきたりします。

そしてそんな自分に
「大人げないなぁ。小さいなぁ」なんて
自己嫌悪になることもあります。

逆に自分の苦手意識にフタをして
「別に全然苦手じゃないし、
あの人まぁいい人ですしね。
好きですよ」とか
無理やり自分に言い聞かせていると、
心の中でふつふつと苦手意識が
余計ふくらんでしまうことがあります。

「嫌と思ってはいけない」と
自分の気持ちを抑えつけてると、

そうして自分に無理をさせているストレスが
相手への嫌悪感に変換されて
本当に相手が嫌いになってしまう。

最初は「ちょっと嫌だな」ぐらいだったのが
顔を見るのも嫌とか、
一緒の空気吸うのも嫌とかまで
いってしまうこともあります。

気持ちにフタをすると
余計に消化できなくなります。

苦手なものは苦手なんだと、
自分の気持ちを認めた方が
精神衛生上よく、
結果的にプラスに働くでしょう。

自分の気持ちを認めて、
たとえば気のおけない仲の良い同僚と
安全なプライベートな場所で
愚痴を言い合うなどしているうちに
だんだん気持ちが
和らいでくることも多いものです。

○○さんのこういうとこ、
ちょっとやめてほしいんですよね

あ!それな!分かる分かる!

などと言ってるうちに

でもまぁあの人、
出張行ったら必ず
お菓子買ってきてくれたりとか、
ちょっと優しいところも
ありますよね

そうそう。この前残業してたら
「お疲れ様」って
コーヒーとかお菓子買ってくれて。
「誰のせいで残業してんねん」と
ちらっと腹も立ったんだけども
でもなんか憎めないとこあるよね

あの人だって
別にみんなを困らせようと
思ってやってるわけじゃなくて、
上からいろんな指示が来て、
下からも板挟みで大変なんだろうね

悪い面だけじゃないよな…というふうに
冷静に客観的に見られるようになり、
勝手に受け入れる気持ちが
わいてくることがあります。

愚痴は、聞きたくない人に聞かせたり、
「私は悪くないよね!分かってよ!」という
圧が強すぎると嫌がられますが、

自分も相手も「話したい!」
「聞いてほしい」という人同士で
言い合う分には
まったく問題ありません。

「同僚なんだから、仲間だから
好きにならなければ」と思うより、

「ただ、同じ職場に居合わせてるだけで
別に友達ではないんだから、
好きになれなくても当然だよね。

淡々とそれぞれの仕事をすれば、
それでオッケー。」

くらいの距離感の方が
お互いストレスなく付き合えるでしょう。

対人関係も自分との関係も同じです。

無理に自分を好きにならなければと思うと
余計に自分を受け入れられなくなって、
自己肯定感が低くなってしまいます。

自分が好きでも嫌いでもOKです。

別に犯罪でも何でもありません。

そのぐらいの気持ちで
自分と付き合っていく方が
気楽でいいのではないでしょうか。

【例】緊張してうまく
できなかったときの自己肯定

自己肯定の例を一つご紹介しましょう。

例えば、人前でプレゼンをした時に
ものすごく緊張して、言いたいことが
うまく伝えられなかったとします。

私もすごく緊張するタイプなので、
若い頃はこういう経験をたくさんしました。

落ち着いたらちゃんと言えるし、
全部わかっているはずなのに
いざ人前に立つと
うまく伝えられないことがあって
すごくもどかしかったです。

自分に腹も立ちました。

この時に
「今の自分は人前で緊張するんだな。
あがり症なところがあるな」と、
現状の事実を認めることが自己肯定です。

これがなぜできるかというと、
「緊張する自分でもいいんだ」と
思えているからです。

緊張してうまくできなかった事実を
「その通りなんだ。確かにそうだった」と
認めることで、
次も緊張する前提で準備ができます。

だから次は
うまくいく可能性が高まります。

そもそもプレゼンの目的は
緊張せずに上手にお話をしたり、
面白くお話をできることではなく、
必要な情報を伝えることにあります。

自分が緊張しているかどうかは
聞いている相手にとっては
別にどうでもいいことです。

それより大事なのは
伝えたいこと、必要なことが
ちゃんと伝わることです。

次も緊張するという前提で
準備をするというのは、

例えばシナリオをしっかり作って
緊張して、もし頭が真っ白に
なってしまったとしても、
資料を読んでいけば伝わるとか

スライドに必要なことは
すべて書き出してあって
それを淡々と読めばいいとか

読めなくても聞いている人が見れば
「こういうことなんだな」と
理解できるようにするとか

そんなふうに準備をしておくことです。

そうすれば、
次はもっとうまく伝えられます。

前と同じように、
また緊張してしまうかもしれません。

頭が真っ白になってしまうかもしれません。

それでも伝えたいことは伝わります。

そして、そんなふうに
自分に合った工夫や
事前準備をしておけば安心感が持てます。

「もし緊張して
頭が真っ白になってしまったとしても、
淡々とこれを読めばいいから大丈夫だ」と
思えるからです。

すると実際に緊張も
和らいでいくことがあります。

好循環です。

逆に、自己肯定感が低いと
「緊張するあがり症の自分」が
認められません。

「緊張してはいけない。
あがり症なんて恥ずかしいことだ」と
受け入れられないのです。

すると例えばこんなことが起こります。

「いや、今日はね、
部長が目の前ですごい不機嫌そうな
顔して聞いてたから
めちゃくちゃ緊張したけど
いつもならもっとちゃんと言えるんです。」

そんなふうに
一体誰に対して言っているのか
分からない言い訳を
心の中で繰り返したりします。

「もう、部長があんな顔して
聞いてたせいだ!部長め!」などと
一生懸命考えたところで、
部長を拉致して、にこやかな顔に
整形手術できるわけもありません。

そんなことを考えても仕方がない、
今後何にも繋がらない
生産性のないことを
ずっと考え続けてしまって
イライラし続けたり、
貴重な時間を使ってしまいます。

または
「緊張しちゃいけない。
あがり症を克服しないといけない」と
いうような目標設定をしたりします。

しかし、
そもそも本来のプレゼンの目的は
必要なことをしっかり伝えることであって
あがり症克服のためのリハビリではありません。

「あがり症を克服しよう」という目標設定は
本来の目的と少しズレてしまっています。

また、例えば
「次から緊張しないようにしよう。
人をカボチャだと思ってやろう」
というような方法は
あんまりうまくいきません。

「カボチャと思おう」と思うくらいで
緊張せずできる人だったら
そもそも最初から緊張していないはずです。

また、相手をカボチャだと思って
いいプレゼンができるでしょうか?

カボチャ相手に大事なことを伝えよう
という気持ちになれるでしょうか?

時間をとって話を聞いてくれる相手を
カボチャ扱い。

まぁまぁひどいです。

伝えたいことがある
大事な相手だからこそ
お互いの大事な時間を使って
プレゼンをするはずです。

「緊張しないように」が
目的になってしまうと
本来の大事なことが
見失われてしまいます。

自己肯定感が低いと
本来の目的よりも
「自分がどう見られるか」に
意識が行ってしまいます。

だからがんばる方向性が
ズレてしまうのです。

また、「緊張しないように」と
意識すればするほど、
人間は緊張するようにできています。

ですから、またプレゼンのたびに
緊張してうまくいかなくて、
どんどんプレゼンが怖くなったり、
苦手意識がもっと強くなっていきます。

その状態でとにかく場数を踏もうというのは
全く効果がないとは言いませんが
あまり効率的ではありません。

失敗する体験を何回も繰り返すので
メンタルも削られます。

周りの人からも
「あの人にプレゼン任せてもちょっとな…」と、
信頼を失うことにもなりかねません。

せっかく頑張るんだったら、
もう少しやり方を変えた方がいいでしょう。

「緊張することもあるよな」と事実を認めて
今の自分に無理なくできる工夫をしながら
場数を踏んでいく方が効果的です。

私も緊張するタイプなので
プレゼンの資料は
事前に準備して作り込みます。

緊張せずに話せる方だったら、
そんなことしなくていいかもしれません。

だからみんながそうすべきとは
まったく思いませんが、
私には必要だからやってます。

セミナーのお仕事もしますが、
「お話が分かりやすいですね」と
言っていただけることも割と多いです。

今でも資料なしで上手に話せるような
人間では全くありませんし、
やはり緊張することもありますが、
事前準備を割ときっちりやっているおかげで
必要なことを分かりやすく
伝えることはできます。

だから緊張する自分のままで
全く問題ないのです。

人との比較ではなく、
自分の中での比較が大事

また、自己肯定が高い/低いという指標は
人と比較してではなく、
自分の中での高いとき/低いときと捉えましょう。

ありのままの自分を
どれだけ認めているかというのは
そもそも人と比較できるような
指標ではありません。

例えば
「あなたはありのままの自分を
受け入れていますか?」という質問に
「はい」と答えた人が
自己肯定感が高いというような
単純なことではないからです。

その質問に「はい」と答える人は
本当に自己肯定感が高いのかもしれないし、
もしくは、本当は心の中で
自己否定の嵐が巻き起こっていて

でも「自己否定してはいけない。
自分を好きにならなくてはならない」
と思い込んでいたり

「ここは自分を受け入れていると
言っておかなければ恥ずかしい」と
思っていたりして

「はい。もちろん受け入れてます!」と
答えているだけかもしれません。

だから自己肯定感というのは
数値で高い/低いが出るような
ものではありませんし、
人と比べても仕方がない指標です。

しかし、自分の中での
高いとき/低いときを捉えることは
役に立ちます。

例えば、私のクライアントさんでも
「過去の自分と比べて、ずいぶん
自己肯定感が高くなったな」と
おっしゃる方が多くいらっしゃいます。

そんな風に
過去の自分と比べて、
今の自分の方が
ありのままの自分を理解できて、
それを受け入れているな。
成長したな。と振り返ることは

進んでいる方向が間違っていないぞ!という
確認にもなりますし、

今後どんなふうに
変化や成長していきたいかを
考える上でも役立ちます。

自己肯定感は
高い日もあれば低い日もある

また過去から現在のような
大きな時間軸の中での
変化や成長だけではなく、

日常的にも自己肯定感は
高くなったり低くなったりします。

体調と同じで、
いい日もあれば悪い日もあります。

人生いろんなことが起こりますから
「ありのままの自分でいい」と
心から思えない瞬間は誰にでもあります。

それが悪いことでもありません。

たとえば、自分の能力不足から
仕事で大ミスをしてしまって
お客様に大迷惑をかけてしまったとします。

仕事やキャリアを大事に思っている人なら、
その瞬間は
「ありのままの自分でいいんだ」と
心から思えないのではないでしょうか。

人生の中で優先順位は
人それぞれ違うので、
仕事やキャリアの優先順位が
そんなに高くなくて、
「お給料もらえたら別に何でもいい」
というような人なら、

「クビになるわけでもないし
別にいいじゃん。
ドンマイドンマイ!」などと
スルーするのかもしれません。

人間は自分が大事に思っていることにしか
真剣に悩めませんし、
ストレスを感じられません。

だから、
仕事やキャリアを大事に考えている人、
お客様への貢献を大事に考えてる人なら、

「わー!なんであんなこと
しちゃったんだ!」とか

「もっとあの時、
あそこでしっかり確認して
気付けていたら…」とか

ぐるぐる後悔の念がわいて、
なかなか切り替えられないこともあるでしょう。

それでも、
自己肯定感がある人なら、
だんだん切り替えていけます。

「あの時気付けなかったのは、
もうそこに気付けなかったこと自体が
自分の能力不足なんだから、
それは仕方ない。

「あれができてたら」
「これができてたら」って
タラレバ言って
いくら後悔したところで
その時出来なかったのは
事実なんだから
それはもう取り返せない」

事実を受け入れた上で
今からできることを
精一杯していこうと
今後の対策を考えていけます。

そこで真剣に悩んだ体験が
成長の糧になることもあります。

だから、自己肯定感が瞬間的に
低くなるのは全く問題ありません。

問題なのは、
低い状態がずっと続いてしまうことです。

例えば一つのミスで
「こんなミスをしてしまったから、
もう自分はダメだ」と
人生丸ごととか、将来丸ごととか
全否定してしまったりとか

対策を考える方に
なかなか切り替えられずに
「あの時気付けていれば」と
ずっと自分を責め続けるだけとか

逆にミスしたところを
「自分のミスでした」と事実を
受け入れられなくて
「いや、あれ違うんですよ。
聞いてなかったんで!」などと
延々言い訳を続けるとか

そんな風に自己肯定感が低い状態が
ずっと続いてしまうことが問題です。

自己肯定感は
変わらない絶対的な指標ではなく

日によっても状況によっても、
高くなったり低くなったり
変わっていくものです。

「自己肯定感が高い人は悩まない。
いつもポジティブ!」というような
イメージは間違いです。

「悩まない人にならなければいけない」
というような非現実的な精神論で
空回りや逆効果になってしまうこともあるので、
気をつけましょう。

目的は幸せになること!

自分らしく幸せなライフスタイルや
キャリアを創っていく上で
自己肯定感はとても大事です。

しかし、自己肯定感を高めることは
目的ではありません。

目的は、あくまで幸せに生きることです。

自己肯定感を高めることは、
幸せに生きるための手段に過ぎません。

手段にこだわりすぎて
目的を見失わないことも大事です。

「自己肯定しないと」と
手段にこだわり過ぎてしまうと

なにかに失敗して
自分を受け入れたくない気持ちに
なってしまうことを恐れるあまり
チャレンジできなくなることもあります。

本当にやりたいことをやるのではなく、
当たり障りなく
自分のできそうなことだけをやって
自分を守ろうとしてしまいます。

「失敗が怖いから」と意識することもなく
無意識に
「これがやりたいことだから」と
やりたいことではなくできることを
選んでしまうのです。

それは傷つくことはないかもしれませんが
本当の意味での自分らしい幸せとは
また違うかもしれませんね。

あくまであなたがやりたいことをやり、
好きなように自分の生き方を選び、
幸せに生きていくことが大事です。

これから自己肯定シリーズでいくつか
コラムをあげていきます。

次のコラムでは、
自己肯定感とよく混同されやすい
自己効力感について取り上げています。

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