低単価で作業的な仕事や納期に追われている、今は数をこなすことによって何とかなっているが、「10年後になくなる仕事」と言われ、この先どうなるのか、先が見えない…。

 難しい試験に合格してやっとの思いで税理士になっても、満足する報酬が得られていなかったり、「今はよくてもこの先はどうなるか分からない」と、先の不安を感じている人もいらっしゃるようです。

さらに、「この価格でここまでの対応は正直キツイな」と感じても、契約を切られたり、揉めるのが面倒との思いで言い出せない、価値観の合わないお客さまとも我慢して取引を続けなければならない、そんな悩みを抱える方もいらっしゃいます。

 「競争が厳しくて先が見えない」と不安を感じ、価格競争に巻き込まれ、ますます低単価で納期の厳しい仕事に追われたり、価値観の合わないお客さまとのやり取りで神経をすり減らしている方がいる一方で、年々売上や顧客を増やし、価値観の合わないお客さまとのお付き合いは揉めることなくお互いWin-Winのまま終了し、優良顧客とだけお取引を続けている税理士事務所も存在します。その違いはどこにあるのでしょうか?

この記事では、あなたが人間関係力を身につけて、あなたの付き合いたい顧客とだけ付き合い、感謝され、安定的に高収入を稼ぎ続けられる税理士になるための方法が分かります。あなたの幸せな成功のために参考になれば幸いです。

作業代行の税理士はいらない?

「AIの台頭で、税理士の仕事はなくなる」そんな雑誌やインターネットの記事を見ることも多くなりました。確かに、フリーソフトでここまでできるのか!?と、びっくりすることも多いですね。ITやAIの技術の進化は目覚ましいものがあります。
そのような変化の時代にあって、「今は収入があっても、この先どうなるんだろう?」と不安をあおられる方もいらっしゃるのは当然です。

しかし一方で、AIの台頭や自動化の流れにおびえたり不安になるどころか、むしろ「これで定型的、作業的業務から解放され、顧客の相談対応など創造的な仕事に時間とエネルギーをもっと割ける」「定型業務はAIがやってくれる、顧客企業の経営者さんにとっても自分たちにとってもいい時代になった!」と歓迎している税理士さんも多いのです。その違いはどこにあるのでしょうか?

お客さまの本当のニーズは?

お客さまの本当のニーズは?

あなたはお客さまの本当のニーズに気づいていますか?

「本当のニーズ?日々の税務・会計業務を問題なく行うことでしょ?」
「節税して会社にもっとお金を残すことでしょ?」
もちろん、それも正解です。お客さまご自身も、それが自分のニーズと思っておられることでしょう。

ただ、お客さまのニーズはもっと広く、深いものです。
お客さまご自身でも気づいていらっしゃらないニーズがあるのです。
そのような、お客さまご自身でも気づいていらっしゃらないニーズに対応することで、さらにお客さまから求められる存在となることができます。

「やりたいこと」は「本当に欲しいもの」ではない

例えば、「コーヒー飲みたいなぁ」と言うとき、人は、「コーヒーと言う茶色い液体そのもの」が欲しいわけではありません。コーヒーを飲むことによって得られる、ほっとする気持ち、リラックスする気持ち、気持ちが切り替わる、そのような感情の変化が欲しいのです。

つまり、本当に人が欲しいのは「感情の変化」であり、モノや体験そのものではありません。

コーヒーを買いに行ったら売り切れだった、だからリラックスできない!午後からの仕事はずっと緊張した気持ちでやらないといけない!何が何でもコーヒーでなければ気持ちは切り替わらない!そんなことはありませんね(笑)。

コーヒーは気持ちの変化を得るための手段の一つにしかすぎませんので、紅茶でもココアでも、好きな飲み物であれば何でもいいのです。

あるいは、飲み物でなくても、同僚とのおしゃべりとか、お客さまからいただいた嬉しい成果報告のメールを読むとか、それでもいいのです。

世の中にはそのことに気づかず、「やり方」や「手段」にこだわり過ぎて、得たい気持ちをかえって遠ざけてしまっている残念な例がたくさんあります。

例えば、「この10年で30か国旅したい!」という目標を持つ人が本当に欲しいのは、「厳密に30か国を旅する体験そのもの」ではなく、30か国を旅することで得られる「知的好奇心が満たされる」「楽しい」といった気持ちの変化です。

たとえ結果的に10年で29か国しか旅できなかったとしても、その29か国の旅を存分に味わい、「好奇心が満たされて本当にワクワクしたなぁ!」「楽しかったなぁ!」と感じられれば目標は十分に達成しているのです。

それなのに、29か国のスタンプが押されたパスポートを見て「ああ、1か国足りない…」と、落ち込んでいては本末転倒です。欲しいのは、「知的好奇心が満たされる」「楽しい」という感情であって、30か国のスタンプが押されたパスポートではないのですから。

やりたいことは実は本当にやりたいことではなく、本当に得たい気持ちを得るための手段にしか過ぎない――そのことをしっかり認識できていると、人生への満足感が格段に高まります。

税理士業務でもこれと全く同じことが言えます。

やりたいことは実は本当にやりたいことではなく、本当に得たい気持ちを得るための手段にしか過ぎない――これは、あなたのお客さまも同じです。

例えば、あなたのもとに、「先生、決算をみて下さい」と来られるお客さまの中で、「決算書が欲しい」「申告書が欲しい」というお客さまは一人もいません。

お客さまが本当に欲しいものは決算書や申告書ではない!

「先生、決算をみて下さい」と来られるお客さまが本当に欲しいのは、決算書そのものではなく、必要な申告がミスや滞りなくできる安心感であったり、税務のプロに経営のことをしっかり見てもらえる安心感、さらに、どんぶり勘定ではなくしっかりと数値で自社の問題点や課題を把握したうえで今後の展望が持てる、判断できるという経営者としての自信やプライドです。

そのような気持ちの変化に価値を感じるから、お客さまは月々の顧問料や決算料を支払うのです。
だからこそ、「先生のおかげでいつも安心して商売ができます」と、頼んでもいないのにお歳暮やお中元まで渡されたり、「先生、今度ぜひお食事でもご一緒しませんか?」とお誘いを受けたりするのです。

あなたがお客さまに提供できる本当の価値は、「決算書」や「申告が終わること」ではない。それらの作業を通じて得られる安心感や、経営者としての自信です。

つまり、税理士のあなたがお客さまに与えられる価値は、単に「決算をやります!」ということではなく、
「社長が安心して経営ができるよう、しっかりサポートします」
「経営者としての自信を、財務面からしっかりサポートします」
「社長の理想の会社作り、夢をかなえるお手伝いします」
ということなのです。

そこを理解せずに、「うちは〇万円でやります」と低価格を売りにしていたり、「うちの決算資料は見やすいんです」と、お客さまの本当のニーズではない商品の改善にばかり時間とエネルギーをとって、肝心のお客さまの表情や気持ちには無頓着――それでは本当の価値を感じて下さる優良なお客さまと継続的なお付き合いすることは残念ながらできません。

優良顧客と付き合い、事業を安定化させるコツ!

優良顧客と付き合い、事業を安定化させるコツ!

あなたのお客さまのうち、「この会社は、この経営者さんは理想のお客さまだ」と思える優良顧客は何%いらっしゃいますか?

もしくは、今までに「この経営者さんとは長く付き合っていきたい」と思っていたのに、残念ながら契約を切られてしまったというお客さまはいらっしゃいませんか?

この章では、あなたが、あなたにとって理想の優良顧客と長く付き合い、感謝されながら事業をさらに安定させる2つのコツをご紹介します。

あなたの価値をしっかり言語化して伝えよう!

心理コンサルタントとして私は、起業家・ビジネスパーソンの方に、人の心理を理解して、ビジネスでさらに幸せに感謝されながら成功するコツをお伝えしています。

講座やセッションで心理学を学んでいただく私のクライアントさんには、ご自身がお客さまに提供しているサービスの価値を徹底的に掘り下げて考えていただきます。

 節税できますといった金銭的にわかりやすいメリットだけではなく、中小企業経営者さんが得られる安心感や、専門知識を経営者さんご自身が独学でゼロから勉強して得ようとしたらどれだけの労力や時間がかかるのか、そう言ったことを徹底的に掘り下げて考えていただき、本当にお客さまに提供している価値をしっかり認識していただきます。

 また、さまざまな心理学的なワークを行ったり、心理テストを行う中で、徹底的にご自身について自己理解を深め、ご自身の個性や人生経験も含めて様々な角度から提供できる価値を言語化し、お客さまに伝わるようにします。
 
ひとくくりに「税理士による経営相談」と言っても、お一人お一人、バックグラウンドも、強みも弱みも性格も全部違います。その違いをはっきりと言語化して示すことによって、「税理士ならだれでもいいから、とにかく安くやってくれる人がいい」という顧客ではなく、「○○に強い税理士さんがいい」「△△なサポートをお願いできる人がいい」「自分は口下手で緊張しやすいから、穏やかに話を聞いてもらえる税理士さんがいい」などと、あなたの強みに惹かれる顧客だけとお付き合いすることができるようになります。

 お客さまを選ぶなんて生意気では?と感じる、とても謙虚な方も時々いらっしゃいますが、自分が価値を提供できないお客さまを「低価格だからいいだろう」と、つなぎ留めておくほうが、よっぽど不義理ではないかと私は思います。

 あなたはあなたが価値を届けられるお客さまと、双方納得の上で事前に決めた価格で契約する権利がありますし、お客さまにも自分に最適な税理士を選ぶ権利があります。

 そのように自分の価値を言語化するだけで、全く売り込まずにクライアントの方から「今年も来年もずっと先生にお願いしたい。」と、頼まれて週に何件も立て続けに契約が入ったという税理士さんもいらっしゃいます。全く売り込みはしていないのでストレスフリーで、決して安くはない顧問料なのに、クライアントさんも大喜びで契約されたそうです。

その税理士さんは、私の心理学講座を受けて下さったのですが、決して安くはない講座への参加費の3倍を、講座が始まって1か月でラクラク回収されました。

つまり、それだけの価値ある仕事を、それまでもずっとなさっていたということです。私の講座でやったこととは、ただそれを言語化して周囲に伝わるようにするお手伝いをしただけです。

私の講座にご参加くださった、ほとんどの税理士さんが、3か月の講座期間中に何件も新規契約をスムーズに決めたり、未収金を双方納得の上でスムーズに全額回収できたりなど、「講座費用は簡単に元が取れた」とおっしゃっておられます。

あなたがせっかくの素晴らしい価値やサービスを持っていても、それが相手に伝わらないことには、契約したいお客さまがあなたを見つけることができません。

せっかくあなたの専門知識と貴重な時間を使って仕事をするのですから、「先生、まけてもらえませんか?」と仕事をする前からとにかく一円でも安くコストを下げてやろうという経営者ではなく、「事業を強くするために先生と一緒にやっていきたい!高くても先生のような方とぜひ契約したい!」と、本当に価値を感じて下さる経営者さんのために、あなたの経営資源を使っていきたいですよね。

AIにできることは喜んでAIに任せよう!

「AIの台頭で仕事がなくなる…」そのような記事に危機感をあおられる方は、ご自身がクライアントさんに提供しているものを「決算書」とか「申告を滞りなく終えること」のように狭くとらえているのではないでしょうか。正直言って、それらの書類や作業は今後AIがずっと安く、早く、上手に作成するようになるでしょう。そこをAIと価格競争していたら、絶対に勝ち目はありません。

お金をかけずにAIでできるような最低限の資料作成や手続きだけやってほしいという経営者さんは、税理士と顧問契約はなさらずに、そのような安価であったり無料のサービスを使って、ご自身で作業をされたらいいのだと思います。

それは各自のチョイスで、自由ですから、そのような経営者さんに「ケチだ!」「税務の大切さが分かっていない!」と腹立たしく思う必要も全くありません。

例えば、毎日の食事を「有機野菜を使って身体にいいものを手作りして食べたい」と言う人もいれば、「とにかく安くお腹が満たされればいいので、毎食カップラーメンでいい」と言う人もいる。それだけのことです。

「毎食カップラーメンでいい」と言う人に「有機野菜を使ってこだわって手作りしている1500円の弁当」を値引きして300円で売ってはいけませんね。

「こんなにこだわりの素材で、手作りの身体にも心にもいい弁当が1500円なんて安すぎる!自分で作ろうとしたら材料費だけでも相当かかるし、ここまでの品数は作れない!」そう感じて心から喜んでくれるお客さまにこそ、そのお弁当はお届けすべきです。

それと同じで、経営にかかわって生じる様々な相談ごとを聞いてもらい、ビジネスの将来像を共有して二人三脚で、事業がうまくいくようにサポートしてもらえる安心感はAIには代わりができないものです。

「毎月先生と会うだけで不思議と元気が出ます」「売上を上げていくのは大変だけど頑張っていこうと思えました」「金融機関への説明に同行してもらえて本当に安心感がありました」そのようにお客さまから言われる先生方は、AIの台頭を心配する必要は全くありません。

むしろ、「もっとクライアントさんの経営相談に時間がさけるぞ!」「クライアントさんの事業をもっと強くするためにエネルギーがさけるぞ!」と大歓迎なのです。
 
それがこれまでにご紹介した、AIの台頭におびえることなく着実に契約を伸ばして幸せに仕事をされている私のクライアントさんたちです。

中小企業経営者に価値を感じてもらえる税理士となるために

中小企業経営者に価値を感じてもらえる税理士となるために

これからの時代、中小企業経営者に価値を感じてもらえる税理士になるために、どのような力が必要なのか、答えられる人はほとんどいません。

しかし、自分らしく幸せに成功している税理士は、中小企業経営者に価値を感じてもらい、経営のパートナーとしてサポートするために必要な力がどのようなものか理解し、実践することができています。

この章では、これからの時代の税理士にどのような力が必要とされるのか、解説していきます。

税理士に必要なコミュニケーション力、学んだことがありますか?

中小企業経営者から、「ぜひ先生にお願いしたい」と価値を感じていただける対応力を身につけるためにはどうしたらいいのでしょうか?

 それには、心理学の知識が不可欠となります。

「良かれと思って一生懸命対応していたが、やりすぎてしまってお客さまを依存させてしまい、お客さまが何でも『やってもらって当たり前』という状態になってしまった」
「創業当初から安く引き受けている顧問先さんがあるが、契約を切られるのでは?と怖くて値上げが言い出せず、だんだん負担感が強くなってきた」
「必要書類をなかなか提出してくれない顧問先さんとの関係で、作業スケジュールがズレ込むことが大きなストレスになっている」
「度々支払いが遅れる顧問先さんがあり、何度も催促の電話を入れなければならないのがストレス」
「脱税、粉飾志向の顧問先さんに心から納得していただき、お互い気持ちよく仕事をするためにはどうしたらいいのだろう?」

税理士さんから、このようなご相談をお受けすることもあります。

税理士は、人相手のお仕事ですから、お客さまには様々な個性、タイプの方がいらっしゃいます。とくに、中小企業経営者の方は、人とは違う考え方をしたり、クセが強かったり、変わった方も多いですね(笑)。ま、そこが面白くて魅力でもあるのですけど。

そのような一癖も二癖もある経営者さんと気持ちよく、双方幸せにお付き合いをするには、やはり、相当なコミュニケーションスキルや人間関係スキルが不可欠となります。

しかし、税理士さんになる過程で、本格的に心理学を学ばれたという方はほとんどいらっしゃいません。

コミュニケーション力は才能ではなく、誰でも学習で身につくスキル

上記のような相談に対して、私が提供している心理学講座や心理コンサルティングの中で、コミュニケーションスキルや人間関係スキルを学ばれた方は、口をそろえて

「なるほど!そんなふうに伝えればいいんですね!こういうことを20年前に知ってたらずいぶん人生変わったでしょうね。もっと早く知りたかった。と言うか、義務教育で教えてほしかったなぁ」

こんなふうにおっしゃいます。

そうです、心理学を学べば、お客さまとの関係がずっと楽にストレスフリーでうまくいくようになります。

しかし、実際には、心理学を学んだことがないどころか、心理学を学ぶことでコミュニケーション力や人間関係スキルを手に入れることができるということにすら気付いていない方がほとんどなのです。

そこに気づかずに、コミュニケーション力や人間関係スキルは「持って生まれたもので自分には無理」と最初からあきらめていたり、「人格」「人間力」と言った抽象的でよくわからない概念として捉えていて、何から取り組んでいいのかわからない、そんな方がほとんどなのです。

だからこそ、あなたが心理学を学び、コミュニケーション力や人間関係スキルを身につけたら、そこに大きなビジネスチャンスが生まれます。

コミュニケーション力や人間関係スキルは、持って生まれた才能ではなく、後天的に身につけることができるスキルです。
自転車に乗るのと同じで練習すれば必ずだれでもできるようになります。

私のクライアントさんの中には、「税理士さんは、コミュニケーションに難ありな方が多い印象だけど、○○さんは全然そんなことないですね」と言われて契約に至った方もいらっしゃいます。

「税理士さんは、コミュニケーションに難ありな方が多い」って、ちょっと失礼ダロ!って感じですが(笑)、一般にはそういうイメージをお持ちの方がいらっしゃるのも事実。

そして、だからこそ、ものすごい話術を身につける必要は全くなく、ちょっとだけコミュニケーション力を身につけるだけでも「おおー!税理士なのにコミュニケーション力がある!この先生は他とは違う!」と感動してもらえ、差別化ができるのです。

さらに、ビジネス上だけではなく「教えてもらったスキルを家族にも伝えたら、家族関係がますますよくなりました。」と言う嬉しいご報告もたくさんの方からいただいております。

「人生の若いうちから知っておくと絶対に有利なので、子どもにもぜひ講座を受けさせたい。子ども用のプログラムも作ってほしい。」そんなふうにおっしゃって下さる方も多くいらっしゃいます。

心理学を学ぶことで、仕事だけではなく、プライベートの人間関係もよりラクに、楽しくなりますよ。一粒で2度おいしいのです。

中小企業経営者の悩みは「お金」と「人」

日本能率協会が全国主要企業3460社を対象に行った調査によると、2017年度の調査で、経営者が当面する経営課題のトップ3は以下の通りです。

1位:収益性向上(42.1%)
2位:売り上げ・シェア拡大(36.8%)
3位:人材の強化(採用・育成・多様化への対応)(35.9%)

1位の収益性向上、2位の売り上げ・シェア拡大は、お金に関する課題、3位の人材の強化(採用・育成・多様化への対応)は、人に関する課題です。

4位以下も「お金のこと」か「人のこと」かどちらかに分類される項目ばかり。つまり、企業の経営課題は「お金のこと」と「人のこと」に集約されます。

税理士のあなたは、「お金のこと」を解決するスキルは十分お持ちのことと思います。さらに心理学も学び「人の課題」に対する理解も深まれば、経営者さんの悩みにより理解が深まります。と言っても心理コンサルタントのように「人の課題」への解決を直接担う必要までは全くありません。

例えば、経営者さんのお話を聞く中で、人に関する経営課題が上がってきたときに「私の守備範囲ではないので」とバサッと切るのではなく、「私の専門ではないのですが、最近心理学を勉強していて、その課題は御社だけじゃなく、多くの企業さんが共通して抱えておられることのようですよ。○○のような研修を導入する企業もあるようですので、詳しい専門家をご紹介しましょうか?」など、課題を理解し、解決策があるということを示すだけでも十分に経営者の役に立つことができます。

経営者さんからも、「税務だけではなく、直接の専門ではないことも、経営課題全般を理解しようとよく学んでいる安心できる先生だ」とさらに信頼が増すことでしょう。

私の講座を受講して下さった税理士さんの中には、「見込みのお客さまとの商談の時に、セミナーで学んだことを、自然にちょっとちりばめてお話しするだけで『他とは違う!税務だけではなく、経営課題全般への理解が深い!』と差別化になっている」とおっしゃる方もいます。その方は、講座が始まってすぐの段階で、講座で学んだことをそのまま商談に取り入れたら新規の契約が2件スムーズにまとまり、講座受講料をあっという間に回収していらっしゃいました。
それまでは、見込みのお客さまとの商談の時には、恐る恐る価格提示をし、相手のリアクションに一喜一憂するストレスが強かったそうですが、講座で学んだことにより、自信を持って提案ができるようになり、商談が飛躍的にスムーズになり、ストレスなく成約率が上がったそうです。
さらには、学びを個人のものとするだけではなく、商談の際のトークスクリプトを作成して事務所全体で共有するなど、所員の皆さまのスキルの底上げもされています。

また、税務や会計業務だけではなく、企業研修や経営者さん向け研修も積極的に実施していきたいという意欲的な方でしたら、心理学を学ぶことで、「コミュニケーションスキル」「効果的な目標設定」「効果的な価値の伝え方(セールス研修)」「Win-Winな交渉スキル」といったテーマの研修コンテンツにそのまま使えます。

さらには、研修に参加される経営者さんや、顧問先企業の社員さん達の心の動きや理解度を把握しながら研修を実施する力が高まりますので、より効果的な研修を行うことができます。

ただ一方的に税務や会計の知識を伝えたり、経営状況を説明するだけではなく、ワークを入れたり、質問によって考えさせたり、シェアの仕方を工夫したり、心理学を学ぶことによって、より受講者さんの学びにつながる研修を実施することができるのです。

例えば、経営者さん向け研修やコンサルでしたら、財務諸表の見方や経営的な知識をお伝えするだけでなく、社長がどんな会社作りをしていきたいのかなど、経営者さんご自身の夢や目標を引き出し、言語化するなど、数字以外の部分からもサポートすることができます。数字だけでは具体的なイメージが持てない経営者さんも、想いを引き出し言語化されることで、経営課題や将来の展望をより具体的に把握し、さらに自信とやりがいを持って経営にあたることができるでしょう。
加えて、心理学の知識を共有して、社員さんとの関係作りやコミュニケーション力強化に活かしていただくようなこともできますね。

社員さん向けの企業研修でしたら、経営的な数値や中期経営計画の説明を行うだけでなく、その数値やデータをもとに、社員さんが自社の経営課題をディスカッションし、より深い理解を共有したり、さらに、それら経営課題を踏まえて、個人の目標や課題を自律的に設定するような研修なども行えます。

このような研修は、一般の企業研修講師には決してマネできない、税務や会計に精通した税理士さんだからこそのコンテンツですし、顧問先さまも「自社の経営課題をしっかり把握してくれている先生だからこそお願いしたい」と、安心して依頼できます。

実際に私のクライアントさんの税理士さんの中には、「税務や会計業務よりも人材育成のご要望で契約いただく件数の方が多いかも・・・」という方もいらっしゃいます。

健全な経営のためには、経営者さんが元気でイキイキと目標を持って経営に取り組まれていること、そして、社内の人材の強化が欠かせません。中小企業経営者さんを支えたい、健全な経営をサポートしたいと願って日夜努力されておられる先生方に、このページの情報がお役に立てばとても嬉しく思います。

税理士さんへのメッセージ

税理士さんへのメッセージ

ここまでお読みくださって、本当にありがとうございます。

この「税理士心理学セミナー」のページは、他のどのページよりも先に書きました。
その理由は、実は私の家族も税理士なのです。なぜか税理士の先生方とはご縁があり、私の周りには、たくさんの税理士の友人知人、クライアントさんがいらっしゃいます。セミナーを開催すると、半数が税理士さんだった、なんてこともあります。

税理士の先生方の業務を身近で見ていて、いつも感じるのが、「私たち心理職以上に人の心理に敏感でなければ務まらない職種だな」ということです。

中小企業経営者さんは家族経営のところも多く、税務のコンサルに行ったはずなのに、顧問先さんのご夫婦げんかに巻き込まれ…とか、社長さんや会長さんから親子関係や子育ての愚痴や悩みを聞かされ…とか、相続や事業継承の話となれば、数値やデータで割り切れないドロドロの人間関係がそこにはあり…などなど、心理職でもそうそう立ち会わないようなヘビーな人間関係がからむご相談を受けていらっしゃる税理士さんが多いことに最初はとても驚きました。
そして、そのようなご相談を、心理学をほとんど学ばずに対応されている方ばかりだということに、さらに驚きました。

あるとき、私の友人の税理士さんが、ある経営者さんとの関係に悩んでおられました。その友人は「自分の対応が悪いのではないか。力量不足なのではないか」と、自分を責めていました。
しかし、心理職の私から見ると、友人の対応の問題や力量不足では全くない、お相手の経営者さんの個人的な心理的な課題があるように感じました。そこで、その友人に、「こんな本があるよ。その経営者さんのこと理解するのに役立つと思うよ」と、心理学の本を1冊渡しました。
その本を一気に読み上げたという友人から、翌日すぐにメールが届き「こういうことが知りたかった!すごく楽になった!」と、とても喜ばれました。私もとても嬉しかったです。
同時に、心理職としては当たり前の知識でも、知らずに困っていらっしゃる方、ご自分を責めていらっしゃる方がたくさんいらっしゃるのだな、一人でも多くの方が笑顔になるように伝えていかなければと、使命を与えられた思いがしました。

それから10年以上がたちます。

私の友人のその税理士さんは、今でも、その経営者さんとお付き合いなさっています。あの時、悩んでいたことがウソのように、しっかり信頼関係も構築され、経営者さんからずいぶん頼りにされているようです。
一番の大きなお取引先のようで、顧問料もしっかりいただいているようですよ(笑)。

このページをお読みくださったあなたも、かつての私の友人と同じように、お客さまとの関係性に悩んでいらっしゃるのかもしれません。
あるいは、スタッフの方との関係や、ご自身のご家族との関係などに悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

人間は、どうでもいいことには悩めませんので、悩みやストレスを抱えるというのは、悪いことではなく、その人が大切に思っていることの裏返しでもあります。

人間関係に悩む方は、人間関係を大切にしたいという思いが強い方なのです。

仕事に悩む方は、それだけ仕事のことを真剣に考えている方なのです。

そのように、意識が高く、もっとお客さまに貢献したいという方のために、私がお役に立てることがあれば、とても嬉しく思います。

中小企業経営者さんがもっと元気に、健全な経営をしていただくためには、何より、サポート役の税理士の先生方が元気でイキイキとしていることが不可欠であると思います。

自分らしく幸せに理想のお客さまとお付き合いしながら、さらに貢献していきたい、そのような先生方のためにビジネスに活かせる心理学を学べるセミナー、講座を開催しております。ご興味のある方は、ぜひセミナーのご案内をご覧ください。