やりたいことはあるけど、どう叶えていけばいいのか分からない…
「あれもやりたい、これもやらなきゃ」と気持ちが焦るばかりで、なかなか行動につながらない…
そんなお悩みはありませんか?
この記事では、「理想をかなえる最初の一歩。うまくいっている人が実践しているたった一つのポイント」について、キャリアコンサルタントの立場で解説していきます。
特別な資格やスキルはまったくいらない、「言われてみれば、何だそんなことでいいのか」と思うようなごく当たり前の内容です。
しかし、この当たり前が抜けてしまっていて悩んでしまったり、自信を失ってあきらめてしまう方も多いのが実情です。
ぜひ、最後までお読みいただき、あなたが理想に向かうための最初の一歩を踏み出すために、ご参考になれば幸いです。
目次
この記事で一番お伝えしたいことは、理想を叶えるのは、最初の一歩が一番難しいということです。
理想を叶えられないのは、メンタルが弱いからでもありませんし、能力やスキルがないからでもありません。
理想を叶えるための最初の一歩で間違ってしまい、そのまま間違った方向で努力を続けてしまう。
これがうまくいかない原因です。
理想を叶えていく人は、理想と現実のギャップを埋めるために必要な行動を正しい順序で行っています。
理想を叶えた人のお話を聞くと、「うわ、メンタル強いなー」とか、「知識やスキル、お金があるからできたんだ」とか、「やり方を知っていたからできたんだ」と見えることがあります。
しかし、そのような精神力や知識、スキル、お金、情報など理想を叶えるために必要なリソースは、最初からあるものではなく、行動していく過程で身についていくもの、得られるものです。
つまり、リソースがあるから理想が叶ったのではなく、理想を叶えるために行動したから、その結果としてリソースが得られたのです。
この原因と結果を間違えないことが大事です。
理想を叶えるために必要な行動をして、リソースが手に入ると、さらに高度な行動もできるようになります。
するとさらに大きな理想も叶えられるようになり、さらにリソースも手に入ります。
そうするとまたまた行動しやすくなり、リソースが手に入り、もっと大きな理想も叶い…とエンドレスです。
このような好循環を生み出すことが大切です。
成果を出している人を見て、「あの人はメンタルが強いからできたんだ」とか「スキルがあるからできるんだ」と見えるのは、すでにこの好循環のループに入った途中から見ているためです。
しかし、どんな人でも必ず最初の一歩はあります。
一番難しいのは、この好循環のループに入る前の最初の一歩。
必要なリソースがまだない状態で、最初の行動を起こすところです。
重たい荷物を積んだ台車を押すときのことをイメージして下さい。
最初に台車が動き始めるまでが一番力がいります。
台車が動き出してしまえば手を添えてコントロールするだけで動いていきます。
力はそれほど必要ありません。
理想を叶えていくときも同じです。
最初に行動を起こし、最初にリソースを手に入れるまでが一番大変です。
このことを知らずに、最初の段階ですでに好循環ループに入っている人と比べて焦ったり、いきなり同じことをやろうとするとつまずいてしまいます。
そうして自信を失い、あきらめてしまう人も多く、とてももったいないです。
理想をどう叶えていけばいいのか分からなかったり、行動できない時は、理想と現実のギャップが大きすぎて手が付けられない状態です。
この状態を打開するための答えは簡単です。
自分が登れるだけの小さな階段にして一段ずつ登っていきましょう。
言われてみれば、「なんだ、当たり前のこと」と思われるのではないでしょうか。
しかし、この当たり前の発想ができずに、悪循環に陥ってしまうことも多いのが実情です。
自分で越えられないようなハードルを作っていることに自分で気付かず、「このぐらいできて当たり前」と勘違いしてしまうからです。
私のクライアントのFさんもそんなお一人でした。
Fさんは会社を辞め、「これから自分で好きなことを活かして何かやりたい」と考えておられました。
しかし、時間もやりたいこともたくさんあるはずなのに、「何からやったらいいんだろう?」と考えるばかりでなかなか実際の行動に移せない状態でした。
しばらくは「会社員時代は激務で疲れていたからゆっくりやればいい」と思えても、その状態が何か月も続くと焦ってきます。
相談に来られて、自分が無意識に最初のハードルを高く設定していることに気付かれました。当時を振り返ってFさんはこんなふうにおっしゃっています。
以前は、自分に対する最初のハードルがものすごく高かったのに、そのことにも気づいていませんでした。
「このくらいできて当たり前。みんなやってる」と思い込んで自分を追い込み、壁のような高いハードルをわざわざ自分で作って、「越えられない、できない」と思っていました。
実際には壁を越えるどころか体当たりしていただけなんですよね。
今振り返ると、「そりゃあ、生きにくいわ」とツッコミどころ満載で笑ってしまいます。
最初からなにか輝かしい実績を作らなければ!としばられて焦っていたんですよね。
Fさんはその後、「輝かしい実績をつくらねば」という無意識の高いハードル設定をやめ、「起業初心者の自分にできることから一つずつやろう」とハードルを下げ、着実に行動できるようになりました。
実生活で「目の前に立ちはだかる1段2メートルの階段」を目の前にしたら、「これはさすがに登れない」と気づきます。
しかし、現実から理想に向かう階段は目に見えません。
ですから、高いハードルを設定していてもそのこと自体に気付かず、「みんなこのぐらいやってるんだ」「このぐらいできて当たり前」と勘違いして、そのまま登ろうとして体当たりを繰り返すだけの状態になってしまうことがあります。
「どう叶えていいか分からない」とか、考えるばかりでなかなか行動につながらないときには自分の中の最初のハードルが高くなっているサインです。
まずそこに気付きましょう。
そして、今の自分が無理なく登れるだけの小さな階段を設定することを意識します。
この時に、「他の人はこのぐらいやっている」という他の人のことは関係ありません。
他の人が1メートルの段差を登っていたとしても、自分はその段差を上るのがしんどいなら、25センチの段差を4段登ればいいのです。
1メートルの段差を前に越えられるか?と悩んだり、無理に越えようとしてケガしたりする時間やエネルギーがもったいないです。
マイペースで着実に登れる一歩一歩を積み重ねましょう。
最初のハードルを下げて、自分が登れる小さな段差にしていくのって、具体的にはどんな風にすればいいのかな?とイメージが持てないこともありますよね。
そこで、具体例として「都市部に住んでいて、もっと自然を楽しむ暮らしをしたい人」の例を考えてみましょう。
最初から「自然を楽しむには自然豊かな環境に移住しないとできない」「フルリモートワークでないと移住はできない」「お金をためてリタイアしないとできない」などと考えてしまうと、めちゃくちゃハードルが高くなってしまいます。
すでに好循環ループに入っていて、「自由な働き方でお金もたっぷり持っている」という方なら、すぐに好きな土地に別荘でも建ててフルリモートワークやリタイアをして自然を満喫できるでしょう。
しかし、リソースがない最初の段階でいきなり同じやり方をしようとするのは無謀です。
高いハードルをムリに登ろうとして悩むばかりで結局1ミリも上がれないよりは、今の自分が確実に出来ることをして、小さな階段をまずは1つ上がってみましょう。
友達とハイキングに行くとか、週末一人で海へドライブに行くとか、今すぐできる自然を楽しむ方法はたくさんあります。
実際に出かけられなくても動画や写真集を見るのもいいでしょう。
丸々一日時間がとれなくても、数十分や数時間だけでも自然を楽しむことはできます。
その積み重ねが、「先週のハイキング楽しかったな」「今週一人で海へドライブしたのも気持ちがよかったな」「来週は家族で川でBBQ。楽しみだな」「昨日動画で見た川でいつか釣りをしてみたいな。
来年の目標にしよう」と、自然を楽しむ暮らしを着実につくっていきます。
その延長線上に、自然を楽しむノウハウや仲間も増え、情報も集まって、気付いたら移住や二拠点生活などの大きなことも実現できるようになっていきます。
最初から「お金をためてセミリタイアしなければ好きなことはできない」と思い込んで、「お金がないし自由な暮らしなんてムリだよなぁ」と家でゴロゴロしていても、自然を楽しむ時間は1分も増えません。
やりたいことは、今の自分にできる範囲でまずやってみる。これが大事です。
「理想を叶える最初の一歩。うまくいく人が実践しているたった一つのポイント」は最初のハードルを小さく設定して、一日1ミリでもいいので着実にのぼり続けるということです。
言われてみたら当たり前のことですが、案外実践できていないことも多いのではないでしょうか。
私自身も「行動できないな」「停滞しているな」と感じるとき、原因を振り返ってみると、「最初から大きな事やろうとしすぎていた」と気づくことがよくあります。
慣れていることを継続するときには、これまでの実績やスキルもありますから、ある程度大きなことができるでしょう。
しかし、初めてのことをやってみるときなど、ゼロから取り組むときには、最初のステップは小さく始めましょう。
最初のハードルを下げることで無理なく行動できると、精神衛生上もよくて、成果にもつながりやすく、リソースも得られて一石二鳥、三鳥です。
ぜひ実践してみて下さいね。
また、部下や後輩に仕事を教える際にも、ステップバイステップで、小さい一歩を積み重ねられるように指導できると成長につながりやすく効果的です。
目的意識や成長意欲の高い方の中には、焦って勝手にハードルを上げてしまってなかなか行動できず、悩んでしまう人もいます。そのような部下や後輩がいたら、ぜひこのやり方を教えてあげてくださいね。
常光瑞穂
人と組織のWin-Winで幸せな成長を支援する心理コンサルタント。国家資格キャリアコンサルタント。臨床心理士。
京都大学大学院工学研究科修了後、子どものころから憧れたエンジニアとなるが当時の長時間労働の働き方が合わず1年余りで退職。自身のキャリアが見えなくなったことを機に京都大学、立命館大学大学院にて心理学を学ぶ。2003年開業。修士(人間科学、工学)。