「仕事通じて成長したい」とか
「仕事を楽しめたらいいな」と
期待や意欲を持って社会人になったのに、
何だか最近モチベーションが上がらない…
仕事が面白くないな…
そんな状態になってしまうと
つらいですよね。
これはリアリティ・ショックと呼ばれる状態です。
実は、入社3年目までの
若手ビジネスパーソンの約8割が
このような状態を経験しています。
幸せライフキャリアデザイン
コンサルタントの常光です。
このコラムでは
「若手ビジネスパーソンの
リアリティ・ショックの解決方法」について
のべ1万人以上の
経営者・ビジネスパーソンの支援をしてきた
コンサルタントの立場から解説します。
このコラムを読むことで
若手ビジネスパーソンの
リアリティ・ショックの原因と
解決方法が分かります。
モチベーションダウンを防ぎ、
成長や楽しさを感じながら
仕事をしていく方法が分かります。
特に
・入社3年目までの若手ビジネスパーソン
・新人教育に関わる方
・管理職や経営者の方
に役立つ内容です。
ぜひ最後までご覧ください。
リアリティ・ショックとは、
理想と現実のギャップに戸惑い、
不安や焦り、モチベーションの低下を
感じる状態です。
多くの人にとって
理想と現実にはギャップがあります。
これは悪いことではありません。
理想と現実が
100%重なってしまっている状態というのは、
やりたいことはすべて叶ってしまって、
もうやりたいことがない。
次の展望が持てない状態です。
これはこれでしんどいです。
ですから、理想と現実は
100%重なっているのがいいわけではなく、
適度なギャップがあって、
理想を追う過程が
楽しさや、やりがい、充実感に
つながっているのがいい状態です。
とはいえ、
理想と現実のギャップが
大きすぎるのもやはりしんどいです。
理想を追求しようにも現実と違いすぎて、
何から手を付けていいのか分からなかったり、
がんばっても理想が叶う気がしない
という状態です。
これは無力感や
モチベーションダウンにつながります。
社会人として一歩を踏み出す時に、
「成長したい」「仕事を楽しみたい」と
期待や理想に胸を膨らませる人は
多いでしょう。
そのような期待や希望は、
一歩踏み出す時に必要なものでもあります。
しかし、いざ仕事をはじめてみると、
思ったように仕事ができなかったり、
仕事が楽しくなかったり、
思い描いていた理想と現実のギャップに
衝撃を受けることがあります。
これがリアリティ・ショックです。
パーソル総合研究所が
2019年に行った調査によると、
入社3年目までの若手社員の約8割、
76.6%がリアリティ・ショックを感じると
報告されています。
(出典:パーソル総合研究所×CAMP
「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/reality-shock.html)
また、学生の86.2%が
「仕事を通じて成長したい」と
思っているのに対し、
実際に成長を実感できている
3年目までの若手社員は64.6%。
成長したいという理想と、
実際に成長を実感できているという現実には
ギャップがあることがわかります。
さらに、学生の79.3%が
「働くことを楽しみたい」と思っているのに対し、
実際に楽しめている若手社員は35.3%。
仕事を楽しみたいという理想と、
実際に仕事が楽しいかどうかという現実にも
とても大きなギャップがあります。
つまり、多くの方が
「思っていたのと違う」という
リアリティ・ショックを受けています。
このように若手ビジネスパーソンの
約8割が感じるリアリティ・ショックですが、
「リアリティ・ショック」という
言葉や概念自体を知らない人も
とても多いです。
多くの人に起こる当たり前の現象だと
知らないから、
自分を責めたり、焦ったり、
無理にモチベーションをあげようとして
空回りになっている人も多く、
とてももったいないです。
では次に、リアリティ・ショックが
起こったときの対策について
お話ししていきます。
リアリティ・ショックは
理想と現実のギャップが大きすぎて
苦しい状態ですから、
このギャップを埋めていくことが
対策になります。
現実を理想に近づけていこうとするのは
「がんばる」という作業です。
逆に理想を現実に
近づけていこうとするのは
「あきらめる」という作業になります。
「がんばる」ことも「あきらめる」ことも
どちらも必要です。
高い理想を持つのは
悪いことではありませんが、
学生時代に「頑張れば普通はこのくらいは
できるんじゃないか」と予測する内容と、
実際やってみてできることには差があります。
そして、ほとんどの場合、
学生時代に予測する内容は、
実際よりも甘い予測になります。
人は自分がよく知らないことほど
「できるだろう」と
自分に甘く予測しがちだからです。
これをダニング=クルーガー効果といいます。
ダニングクルーガー効果とは
「ある分野の能力が低い時ほど、
自分はそれができると勘違いしてしまう」
という認知バイアスです。
アメリカの大学生を対象にした調査で、
ユーモア、認知的推論、文法の
テストをするのと同時に、
自分のテストの成績の予測をしてもらったところ、
テストの点数が低い人、つまり、
その分野について
よく分かっていない人ほど、
実際の点数と予測値の差が大きく、
実際よりも「できているはず」と
誤解してしまうことが分かりました。
なぜそうなるかというと、
その分野について
「自分がどのくらい分かっているか」
「どのくらいできているか」という
自分の能力を正しく見積もるためには、
その分野の知識や経験が必要だからです。
ですから、初心者の
まだその分野のことを
よく知らない人にとっては
自分がどのくらいできるかを
予測することも難しく、
予測を間違ってしまいやすいのです。
それで、実際には難しいことでも
「このくらいならできるだろう」と
甘い予測を立ててしまいがちになります。
スポーツでも、楽器の練習でも、
始める前は「がんばればできるかな」と
思っていたけど、
やってみたらめちゃくちゃ難しかった、
自分がやってみて初めて、
「これができる人って
本当にすごいんだなー。
めちゃくちゃ練習したんだろうな」と、
難しさが理解できたという経験を
持っている方は多いのではないでしょうか。
私は以前、
オリンピックでフィギュアスケートを見て、
私もやってみたい!と、
はじめてスケート場に
遊びに行ったことがあります。
もちろんオリンピック選手のように
上手に滑れるとは思っていませんが、
まっすぐ滑るだけなら
はじめてでも少しはできるんじゃないか、
楽しそうだなと思ったのです。
しかし、実際やってみると、
スケート靴は重いし、足は痛いし、
めちゃくちゃ難しくて、
手すりを離すとすぐコケてしまい、
全然滑れませんでした。
「まっすぐ滑るどころか
氷の上に立つだけでも難しいのに
オリンピック選手ってホントにすごい!」と
まあ、当たり前のことなんですが、
改めて難しさが実感できました。
そして、多分
私と同じ考えの人がいっぱいいて、
その日のスケート場は超満員。
たくさんのへっぴり腰の人が
私と同じように手すりにつかまって
ヒーヒー言っていました。
これもダニング=クルーガー効果の一例ですね。
できる人がやっているのを見ると
実際よりもできそうと誤解してしまうのです。
学生から社会人になるときには、
最初はまだ仕事をやったこともない状態、
その分野について初心者で
ほとんど知識がない状態で
仕事を選ぶ人が多いです。
ですから、現実的にはムリなことや
すごく難易度の高いことを
「がんばればこのくらいできるはず」
「やらなくては」と
勘違いしてしまうことが多いのです。
それがリアリティ・ショックの原因です。
ですから、実際にお仕事をはじめてみて、
「現実はそう甘くないな」とか
「めちゃくちゃ難しいんだな」とか
「自分はまだ全然分かっていないな」と
認識してショックを受けるのは、
ダメなことではありません。
「難しさが理解できた」
「周りの人のすごさが実感できた」というのは、
それだけ成長した証だからです。
今は活躍している上司や、
知識やスキルが豊富ですごい先輩も、
8割の方がリアリティ・ショックを
経験しています。
新人の時には、
全然できなくて情けない思いをしたり、
ショックを受けたり、
落ち込んだ経験がほとんどの人にあります。
また、リアリティ・ショックは、
若手ビジネスパーソンだけではなく、
役割や環境が変わるときには
どんな年代の人にも起こります。
例えば、
・昇進した時
・職場異動や転職・起業をした時
・産休・育休から復帰した時
などにもよく起こります。
新たな環境や役割になる前には
期待や希望に胸を膨らませて
理想を持っていても、
実際にやってみると思った以上に難しかったり、
環境の変化になかなか適応できなくて
悩むことは、成長の過程でみんなが通る道です。
ですから、
リアリティ・ショックを受けること自体を
恥ずかしく思ったり、
自分を責める必要は全くありません。
成長の過程でよくあることだと、
認識していきましょう。
リアリティ・ショックを
乗り越えるために必要なのは
「正しく健全なあきらめ」です。
あきらめるのは逃げだとか
良くないことという
イメージを持っている人もいますが、
「がんばる」ことも「あきらめる」ことも
両方必要です。
あきらめるの語源は「明らかにする」です。
つまり、ただ逃げるとか
放棄するという意味ではなく、
現実を明らかにし、
理想が実現できない理由を納得した上で
断念するというプロセスが
あきらめるという行為です。
「このくらいなら普通はできるだろう」という
認知バイアスがかかった間違った理想を手放し、
現実的に実現可能な理想を設定していくことで
リアリティ・ショックを
乗り越えていくことができます。
あきらめるのは実は簡単なことではなく、
現実を受け入れる謙虚さや、
できるかどうかという能力に関わらず
自分は自分でいいという自己肯定感が必要です。
これも、ダニング=クルーガー効果で、
「あきらめる」ということの本質を
よく知らない人ほど、
あきらめることを簡単だと誤解していたり
「逃げだ」「ダメなことだ」という
誤ったイメージを持ってしまいます。
正しく健全にあきらめるということは
とても大事なことで、
成長のために不可欠なこと。
そして、難しいことなんだという認識から
はじめていくことが役立ちます。
次に、実現可能な理想の見つけ方について
解説します。
大きく分けて次の3つのパターンがあります。
1)リスケジュールが必要な場合
2)環境を変えることが必要な場合
3)方向性を見つけることが必要な場合
の3つです。
今いる環境が
自分のやりたいことや
目指す方向性には合っているけど、
「がんばればこのくらいはできるはず」という
予測が現実的ではないスピード感に
なってしまっている場合です。
この場合は、例えば
「1年でこんなふうにならないと!」という
非現実的な理想を
「3年でできるようになりたい」というように
現実的なスケジュールに変えていきます。
実際に若手ビジネスパーソン方から
「仕事がうまくいかない」とご相談を受けても、
上司は「よく頑張ってますよー」と
何も問題を感じていない、
むしろ頑張りを認めているというケースも
多いものです。
こういう場合は、
非現実的なスピードを自分に要求して
焦っているだけで、
実際には順調に着実に成長できています。
ですから、
自分の中のスケジュールを見直して、
現実的なものにすればOKです。
どのくらいのスケジュールにすればいいかは、
上司や、素敵だなと思う先輩に
聞いてみるといいでしょう。
私も○○さんみたいに
仕事ができるように
なりたいんですけど
新人の時ってどうでした?
最近なかなかうまくいかなくて
自信なくすこともあって…
などと聞いてみると参考になります。
学生時代までは
同年代の方の中で過ごすことが多いのですが、
社会人になると様々な年代の方と
一緒に仕事をすることが増えます。
25歳の人が35歳の先輩や
45歳の上司と自分を比べてしまうと、
10年も20年も経験値が違う人と
自分を比べてしまうことになります。
いきなりその人たちがやっている工夫を
取り入れようとしても
ハードルが高すぎて
焦るばかりで参考にならないこともあります。
「新人の頃はどうでしたか?」
「最初は何からはじめましたか?」
などと聞いてみると、参考になります。
できる人の今と自分を比べるのではなく、
できる人が過去にやっていたことを
聞いてみましょう。
実際に仕事をはじめてみたら、
現実が理想と全く違い、
今いる環境が自分が目指す方向性と
明らかに違う場合には
環境を変えることが必要です。
「石の上にも三年」という言葉があり、
すぐやめたり変えるのはよくないよと
いう人もいます。
しかしそれは、
自分の目指すべき方向と合っているところでも
すぐに成果が出るわけではないから、
長期的に続けることが大事という意味です。
1)のリスケジュールが必要な場合には
あてはまります。
しかし、明らかに
自分が人生で大事にしたいことや
目指す方向と違うと分かっているところに
3年居続けても
目指す方向には近づきません。
時間の無駄や逆効果に
なってしまうこともあります。
この場合は、環境を変えて
自分の目指す方向性に合った環境に
移ることが必要です。
また、環境を変えるときには、
次の節でご紹介するように、
自分のやりたいことや目指す方向性を
見つけることが必要です。
自分がやりたいことが見つからないままに、
「今の職場は合わないから異動しよう」とか
「なんかつまらないから転職しよう」と動いても、
また次の仕事や職場でも
リアリティ・ショックを
繰り返してしまう可能性が高いからです。
環境を変えるのにも
エネルギーがいりますから、
せっかく動いても
また同じようにリアリティ・ショックを
繰り返してしまうとしんどいですからね。
最後は、
方向性を見つけることが必要な場合です。
先ほどご紹介した
「2)環境を変えることが必要な場合」のほか、
そもそも自分がやりたいことや
目指す方向性を考えていなかった場合には、
方向性を見つける必要があります。
例えば、
福利厚生や給与や勤務地などの
条件面で仕事を選んで、
実際この会社で何をしたいか
自分の目標ややりたいことが
あまり考えられていなかったという人もいます。
条件で仕事を選ぶことは
もちろん悪いことではありません。
しかし、それは入社してしまえば
クリアしてしまうので、
入社後の目標にはなりません。
ですから、入社後に新たに、
では自分は何がやりたいんだろう?と、
やりたいことを見つけていく必要があります。
冒頭でご紹介した
パーソル総合研究所の調査では、
入社前に会社のことや自分の適性について
理解が進んでいた人ほど
リアリティ・ショックが少ないという
結果が出ています。
リアリティ・ショックというのは
理想と現実のギャップが大きく
戸惑ってしまう状態ですから、
はじめる前から「現実はこうだろうな」とか
「自分はこういうことは得意だけど、
こういうことは苦手。
だからここで苦労するかもしれないな」とか、
リアリティを持って理解できていた人ほど
ギャップが少なく、
ショックを受けにくいというのは
当たり前のことですね。
自分がやりたいことや
方向性をこれから見つけていきたい人は、
「様々な人の話を聞く、相談する」ことが
効果的です。
再び、パーソル総合研究所の調査結果から
引用します。
就活するときに、
最初から絞り込み過ぎてしまって
少数の意見しか聞こうとしなかった人は、
多くの人の意見を聞こうとした人よりも
リアリティ・ショックを受ける割合が
高かったそうです。
逆に、親や様々な年代の友人知人、
先輩、OB/OG、ゼミの先生、
キャリアセンターの相談窓口など、
たくさんの人に相談したり、
話を聞いた人の方が、
リアリティ・ショックを
受けにくかったことが分かっています。
ここで言う「たくさんの人」というのは、
様々な属性の人という意味です。
同年代の友人ばかりに
何人も相談するなど
同じ属性の人ばかりにたくさん相談しても
あまり意味がありません。
様々な年代や
いろんな働き方をしている人など、
立場の違う人たちに話を聞くと、
知らなかったことが知れて
社会や会社に対する理解が深まります。
自分とは違うタイプの人とも話すことで、
自分の強みや弱み、
好きなことや嫌いなことも理解できます。
また、自分のことは
自分自身では分からないことも多いですから、
人の意見を聞くことで、
うまくいかない原因が理解出来たり、
対策ができる場合も多いものです。
例えば、
若手のビジネスパーソンの方から、
「仕事内容が合わない」という
ご相談を受けた時に、
実際には仕事内容は合っていて、
上司との相性が悪いだけ
ということもよくあります。
その場合は、
上司とは別の教育係をつけてもらったり、
仕事内容は変えずに
別のチームや部署に異動することで
力を発揮できる方も多いです。
ある程度社会人経験を積んで、
仕事内容にも精通していれば、
仕事内容が合わないのか、
上司とやり方が違うからやりにくいのか
という判断もできるようになっていきます。
しかし、最初は
何がしんどいのかもよく分からない
ということがあります。
仕事内容はあっているのに
向いていないと誤解して、
せっかくのやりたいことを
あきらめてしまうと
とってももったいないです。
何かがうまくいかない…と感じたら、
自分だけで判断しようとせずに、
ぜひ上司や人事、キャリア相談窓口や
信頼できる先輩などに
相談してみてください。
さまざまな属性の人に話を聞くと、
「自分はそうは思わないな」とか
「共感できないな」という
考え方の人に出会うこともあるでしょう。
そういう時は、
どちらが正しいかを考える必要はありません。
いろんな考え方があっていいので、
自分が相手の考え方に
合わせる必要もなければ、
相手が自分の考え方に
合わせる必要もありません。
自分より年上や経験者のある人が
言っているからといって、
「社会人になったらこれが常識」などと
思う必要はありません。
実際には、
30代でも40代でも
様々な価値観や考え方の人がいて、
業種や業界によっても慣習は全く違うからです。
「社会人はみんなこう」という
一つの考え方や常識があるわけでもありません。
ですから言われたことをすべて
「こうしないといけないんだ」
「これが常識なんだ」と
思いすぎてしまうと逆効果になります。
「自分とは違う
こういう考えの方もいるんだな」と気付き、
知っておくだけで大丈夫です。
その気づきが、
現実を理解する助けになり、
リアリティ・ショックを予防できます。
さまざまな人の話を聞いて
「楽しそう」「やってみたい」ということが
見つかることも大事ですし、
「自分にはこういうことは無理だな」
「これは絶対にイヤだな」という
気付きを得ることも大事です。
思い込みを捨て、
自分の好き嫌い、得意不得意を
ありのままに観察し、
自分が本当に望んでいる
キャリアやライフスタイルはどんなものなのか、
自分の心に素直に正直に
考えていくことが大事です。
本当にやりたいことの見つけ方については、
以前こちらのコラムでも解説しています。
こちらもぜひあわせてご覧ください。
また、人の話を聞いたり、
情報収集するときには、
他の人との差別化や違いを
アピールしなければ!という
意識が強すぎると逆効果になります。
就職活動の時に、
「他の学生との違いを
積極的にアピールしたい」という
意識が強かった人は、
入社前の理解が進まず、
リアリティ・ショックを受けやすかったそうです。
たくさんの人の話を聞いたり、
事例に触れても、
「人との違いをアピールしないと」という
意識になっていると、
ニュートラルに現実を理解したり、
自分のやりたいことを
考えていくことができません。
人との差別化や違いというのは、
「こんな違いをつくろう」とか
「アピールしないと」と
意識して考えてつくるのではなく、
やりたいことを見つけ、
取り組んでいるうちに気付いたら
スキルアップしていて
それが差別化やアピールポイントになっていた
という順序でつくっていくのが効果的です。
特に、若手のビジネスパーソンの方は、
今までの人生経験よりも
これからの人生の方が長いです。
今の時点で人よりできることを
アピールしなければと焦るよりも、
自分がやりたいことを
見つけていく方が大事です。
興味を持って取り組めることなら
無理なく続けることができますし、
好奇心や成長意欲を持って
続けていけばスキルや経験は
自然とついていきます。
焦る必要はありません。
それでは最後にこの動画のまとめです。
リアリティ・ショックとは
理想と現実のギャップに戸惑い、
不安や焦り、モチベーションの低下を感じる状態。
入社3年目までの若手ビジネスパーソンの
約8割が経験しています。
何かを始める前の初心者の時には、
その難易度が分からず
「がんばれば最初からこのくらいできそう」と
甘い予測を立ててしまいがちです。
それが「こんなはずじゃなかった」
「思っていたのと違う」という
リアリティ・ショックにつながります。
ショックを受けることは悪いことではなく、
やってみて難しさが分かったという
成長の証でもあります。
活躍している上司や素敵な先輩にも、
新人の頃できなくて落ち込んだり、
思っていたのと全然違ったと
ショックを受けた経験は必ずあります。
リアリティ・ショックを乗り越えるためには
「正しく健全なあきらめ」が必要です。
現実を知らないうちに頭の中で考えただけの
非現実的な理想を手放し、
現実を受け止めて、
実現可能な内容、スケジュールで、
しかしやりがいを持って楽しく取り組める
本当の理想を見つけていきましょう。
本当の理想を見つけるためには
1)リスケジュールが必要な場合
2)環境を変えることが必要な場合
3)方向性を見つけることが必要な場合
の3つのパターンがあります。
まずは自分がどのタイプかを
見極めることからはじめてください。
また、新たなことを始めるときに、
事前にさまざまな属性の人の話を聞き、
相談してリサーチをした人の方が
リアリティ・ショックを受けにくくなります。
自分と価値観が合う人からは
「これも楽しそう」「やってみたい」という
情報が得られますし、
価値観が違う人からは
「こういう考えもあるんだな」という多様性や、
「これは自分には向いてないな」という
気付きや情報が得られます。
どちらも大事ですから、
様々な人の話を聞いて情報収集をしましょう。
また、せっかくいろんな人の話を聞いて
リサーチをしていても、
「人との違いをアピールしなければ」という
想いが強すぎると、
現実を正しく理解できません。
人との違いをアピールすることよりも、
自分がやりたいことを見つけるのが先です。
やりたいことを見つけて続けていけば、
スキルや経験は自然とついていきます。
それが人との差別化や
アピールポイントになっていきます。
この順番を間違えないようにしましょう。
▷引用文献
●パーソル総合研究所×CAMP
「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/reality-shock.html
●ダニング=クルーガー効果
Unskilled and Unaware of It: How Difficulties in Recognizing One’s Own Incompetence Lead to Inflated Self-Assessments. Justin Kruger and David Dunning (1999) Cornell University
貴重なデータをありがとうございました!