転職しようか?起業しようか選択に迷ったり、
自分が本当にやりたいことって何だろう?と
方向性に迷うことはありませんか?

幸せライフキャリアデザイン
コンサルタントの常光です。

このコラムでは
「本当にやりたいこと
=本質的ニーズを見つける方法」について
のべ1万人以上の
経営者・ビジネスパーソンの支援をしてきた
コンサルタントの立場から解説します。

動画でご覧になりたい方はこちらから

本当にやりたいこと、つまり
本質的ニーズを見つければ、
理想は必ず叶います。

理想が叶わないのは、
やり方が分からないからとか
能力がないからではなく、
自分が本当にやりたい、
本質的ニーズを見つけられていないからです。

本当に心からやりたいことが見つかれば
自然と行動でき、継続できます。

「どうやってモチベーションを
維持しようか?」と
悩むことはなくなります。

このコラムでは、
本当に自分がやりたい
本質的ニーズを見つける方法と、
自分の理想を叶えた方の事例
(自営業と会社員のお二人のケース)を
ご紹介しています。

そして、そのお二人にも共通する
本当にやりたい理想を叶えた人の共通点。
大事なポイントをご紹介しています。

あなたが本当にやりたいことを見つけ、
実現するご参考になれば幸いです。

選択肢が多すぎて迷う時代

現代社会では、検索すればすぐに
たくさんの情報に
アクセスすることができますし、
自分から検索して情報を取りにいかなくても
情報はいたるところから入ってきます。

とても便利な時代ですね。

一方で、情報や選択肢がありすぎて
どれを選べばいいのか?
自分が本当に望んでいるものが分からないと、
選択の難しさを感じている人もとても多いです。

例えば、本棚に本が3冊しかなかったら、
今の自分に必要なのはこれ!と
すぐに選ぶことができます。

仮に迷って決められなかったとしても、
3冊くらいであれば、
とりあえず全部読んでみよう、と
決めることもできます。

しかし、本棚に本が1000冊入っていたら、
今の自分に最適なものを選ぶのは
ずっと難しくなります。

タイトルを見ていくだけでも
時間がかかりますし、
一日3冊読んでも1年近くかかりますから、
とりあえず全部読んでみるというのは
効果的ではありません。

情報が少なく、
生き方の選択肢も少なかった
以前の世の中なら、

四の五の言わずにとにかく決めて
読み始める人や、
力業で3冊すべて読んでみるという
実行力のある人が成果が出しやすかったです。

しかし、情報が多い今の世の中で、
何でもいいからとにかく全部やってみる
というのは無理があります。

今は、とりあえず実行する前に、
自分の心の声を聴き、
自分の頭で考え、
自分にとって最適なものを決める、選ぶという
プロセスがとても重要になっています。

このコラムでは、
自分にとって最適なものを選ぶために必要な
「本質的ニーズを見つける方法」について
解説していきます。

このコラムを読むことで、
自分の心からの本当のニーズを
見つける方法が分かります。

本当のニーズが分かれば
選択に迷いがなくなります。

ぜひ最後までご覧ください。

また、このコラムは、
VUCA時代を迷いなく生きるために
役立つ3つのスキルをご紹介している
シリーズの2回目となります。

1回目「デザイン思考」
ぜひあわせてお読みください。

それでは早速、本日のテーマ
「本当にやりたいこと
=本質的ニーズを見つけるスキル」
について
解説していきましょう。

はじめに、
本質的ニーズとは何かを説明します。

本質的ニーズとは?

例えばコーヒーが飲みたいな…と思ったとき、
本当に欲しいものは
コーヒーという茶色い液体
そのものではありません。

本当に欲しいものは
「リラックスしたい」とか
「眠気を覚ましたい」という
コーヒーを飲むことによって得られる
気持ちや状態の変化です。

コーヒーは、そのための手段にすぎません。

つまり、やりたいことや
欲しいものそのものは手段。

それによって得られる
気持ちや状態の変化が
本当に欲しい本質的ニーズであり、目的です。

手段は様々な方法があり、
他のものに変えることができます。

例えば、リラックスしたいという
本質的なニーズを満たしたいなら、
コーヒー以外にも様々な方法があります。

紅茶やお茶など別の飲み物、
音楽、ほっとできるような動画、
アロマ、ストレッチ、お風呂など、
様々な方法の中から、
状況に応じて最適な手段を選べばいいでしょう。

本質的ニーズが満たせるなら、
手段は何でもいいのです。

目的と手段をはき違えてしまう状態とは、
一つの手段に捉われて
本質的ニーズを見失ってしまう状態です。

本来の目的はリラックスすることなのに、
「コーヒーを飲むこと」が目的化して
他の手段が見えなくなると、
コーヒー豆を切らしていた時に
イライラしてしまいます。

これでは、「コーヒーを飲む」という手段を
遂行しようとすることで
かえって「リラックスしたい」という
本質的ニーズから遠ざかっています。

ライフキャリアデザインも
手段と目的をはき違えないようにしよう

現代では、幸せなパターンが複雑化し、
人生設計が難しくなっています。

キャリアや人生の方向性に
迷う人は少なくありません。

しかし、どんな仕事をするか、
どんな資格を取るか、
副業や起業をするか、
結婚するかどうか、
子どもを持つかどうか、
お金をどのくらい稼ぐかということは、
すべて生きるための目的ではなく、
幸せになるための手段にすぎません。

本当に自分がやりたいのはどれ?と
手段に迷ったときには
本質的ニーズを捉えるようにしましょう。

本質的ニーズを捉えるためには

「なぜやりたいのか?」
「なぜやらなければならないのか?」
「それができたらどんな気持ちになるか?」
「それができたらどんな状態になるか?」

という質問を自分に問いかけてみます。

例えば、今の仕事を続けようか、
転職しようか起業しようか、
資格を取ろうか、
スキルアップはどうしようか、
趣味もしたいし、
お金も欲しいし、
家庭も築きたい…と迷っておられる
このCさんの例で考えてみましょう。

やりたいことや
やらなければならないと感じている
手段の一つ一つに対して、
本質的ニーズを捉える質問をしてみます。

例えば、
今の仕事は慣れているから安心できるし、
人に役立てている実感もある。

転職して活躍できたら
自信が持てるし、成長が実感できそう。

起業できたら自信が持てるし、
人に自慢もできそう。

資格を持てば、
将来に対して安心感が持てそう。

スキルアップしたら自信につながりそう。

趣味の時間からは安らぎが得られている。

お金があれば安心できるだろう。

家庭生活に求めることは安らぎ穏やかさ

こんなふうに
やりたい手段を通して得られていること、
得たいと期待している気持ちや状態から
本質的ニーズが見えてきます。

自分の気持ちや得たい状態という
ニーズを見ると、
バラバラに見えた手段に
共通点が見つかったり、
それぞれの手段の違いが
クリアになっていきます。

この例の場合は、
全体的に安心や自信というニーズが
多く出てきており、
Cさんは安心したい、自信を持ちたいという
本質的なニーズが
強い方であることが分かります。

また、仕事の選択では、
今の仕事は安心感や役立ち感という
ニーズを満たしているのに対し、
転職や起業をすれば
自信につながりそうと感じており、
安心と自信という
Cさんがどちらも欲しいニーズとの間で
迷っておられることが分かります。

さらに、転職か起業かという選択では、
どちらも自信につながりそうですが、
転職の場合は成長実感が得られそう、
起業したら人に自慢できそうという
違いがあることも分かります。

この場合は、
実際に自分のやりたいことを実現するために
今の仕事を続けるのがいいのか、
転職がいいのか起業がいいのかという
実務的なところを
その職業についておられる方の話を聞くなど
リサーチして確認するとともに、

自分が人生で得たい気持ちとして、
どちらの方をより求めているか?
どちらの方が自分にとって
より本質的なのかという
自分のニーズを見極めることも
選択の助けになるでしょう。

どちらがいい悪いはありません。
本当に自分が求めている方はどちらか、
自分の心に素直になることが大切です。

また、全体として
安心や自信を求める気持ちが強い方ですから、
「迷ったときには
自分が安心して取り組みながら、
自信につながっていく方を選んでいこう」と
大まかな方針を持っておくと、
迷いが少なくなるでしょう。

そのような大まかな方向性が分かっていたら、
すべての選択肢を試す必要はなく、
「まずは安心して自信につながる方」と
ザックリ決めるだけでも、
かなり絞ることができます。

本質的ニーズは人それぞれ全く違います。

Cさんのように
安心や自信を求める人もいれば、
ワクワク感や挑戦、冒険心といった
ニーズが強い人もいます。

どちらがいい悪いではなく、
本当に自分が求めていることに
素直になることが大事です。

人から「すごいね」と
羨ましがられるような人生でも、
本人は不安やプレッシャーで
いっぱいだったら幸せとは言えません。

ぜひ、皆さんも、このように、
やりたいことや
やらねばと思っていることを
書き出してみて、
それぞれの手段を通して何を得ているのか、
何を得たいと期待しているのか、
ご自身の本質的ニーズを探ってみてください。

目的か手段かの二択ではなく
グラデーションであり連続体

また、本質的ニーズである目的か
手段かという二択ではありません。

白か黒かの二択ではなく、
グラデーションであり、
連続体になっています。

例えば、リラックスするために
コーヒーを飲みたいという場合、
リラックスは目的ですが、
ではなぜリラックスしたいのか、
何のためにリラックスしたいのか、
という更なる目的を考えると、
リラックスは手段になります。

例えば、
・集中力を高め仕事の質を上げるため
・リラックスした優しい親でいたいから
・健康のため
・人生を楽しむため など
人それぞれ様々な目的があります。

このように、
何が目的になり、何が手段になるかは
二択ではなく、相対的なものです。

だから目的と手段のはき違えや
混乱が起こりやすいのです。

この三角形の上の方が
より本質な目的であり、抽象的。
下の方が手段であり、
より具体的になります。

本質的ニーズにはパワーがあります。

例えば、
毎日コーヒーを飲むためなら
何が何でも頑張れるという人は
あまりいないでしょう。

手段そのものを
どうしてもやりたいという人はいない
のです。

しかし、
子どもといい関係を築くためなら頑張れる、
むしろ「頑張ろう」などとは思わなくても、
自然と最優先でそちらをやる
という人は多いでしょう。

やりたいことがあるけど
モチベーションが続かないという人は、
そのやりたいことが
本質的ニーズとつながっていない、
つまり、手段を目的と
はき違えている可能性が高いです。

例えば、
「資格取得の勉強をしたいのに
モチベーションが続かない」という
ご相談をお受けすることがよくありますが、
資格取得という手段が
本当にやりたい本質的ニーズと
つながっていないのです。

本当にやりたいことをやっているときには、
「モチベーションをどうやって
保てばいいんだろう」などと
悩むことすらありません。

本質的ニーズから
理想の人生を創った例として、
私のクライアントであるDさんのお話を
許可をいただいてご紹介します。

本質的ニーズから理想の人生を
デザインする例(Dさん、自営業)

Dさんは、会社員経験ののち、
独立開業された自営業の方です。

お仕事はうまく行っているものの、
人から頼まれたり
紹介された案件を引き受けてばかりで、
自分なりの軸や方向性がなく
流されている感じがする。

もっと、自分なりの仕事の目標や
方向性を持って進んでいきたいと、
セミナーを受講されました。

Dさんの本質的ニーズを探るため、
セミナーではまず
「理想の未来」というテーマで
コラージュを作っていただきました。

コラージュというのは、
雑誌やポストカードなどの
写真や画像を切り抜き、
一枚の紙に貼り合わせていくものです。

「理想の未来」というテーマはありますが、
頭で考えて作るのではなく、
いったんテーマは忘れて、
「なんかいいな」とか「わくわくする」とか、
心が惹かれた写真や画像だけを使って
作品を作っていただくようにお伝えしました。

1時間半黙々と作業をして、
出来上がったDさんの作品には…。

海や川、湖など、
きれいな水と緑の写真ばかりが
貼られていました。

夢中になって作品作りをした後に、
ふと我に返って
完成した自分の作品を見たDさんは、苦笑い。

あ!僕…仕事の目標や方向性を
決めるために来たのに、
仕事の写真が一枚もないですね!
「頭で考えすぎずに
心が求めてることを貼ればいい」
ということだったけど、
これはさすがにダメですよね。
間違えました!すいません!

しかしこれは、間違いではなく、
大正解なのです。

きれいな水や緑に囲まれたいという
Dさんの本質的ニーズが
とてもよく出ているからです。

例えば何年後かに
この作品のような
きれいな水や自然を楽しみながら、
必要なお金は稼いでいる
という目標はいかがですか?

とお尋ねしたところ、
Dさんは満面の笑み。

それめちゃくちゃいいです!
やりたいです!
そうか、それでよかったのか!

こうして、Dさんの
目指すべき方向性が決まりました。

Dさんのかなえたい本質的ニーズは
「きれいな水や自然を楽しむ暮らし」

そして、そのための手段として、
Dさんとご家族が楽しく幸せに
暮らせるだけの収入は必要です。

その収入を確保するための手段として、
仕事のオンライン化や、
お客様への説明を
進めていくことに決めました。

つまり、仕事以外も含めた人生全体の、
自分が心から
「それならめちゃくちゃやりたい!」
と思える本質的ニーズを捉えることで、
仕事ではオンライン化と
お客様への説明が必要という、
仕事上の具体的な目標=手段も
明確になったのです。

Dさんはもともと
それほどITが得意というわけでもなく、
オンライン化に積極的では
ありませんでした。

しかし、
「きれいな水や自然を楽しみながら
既存のお客様への貢献も続ける」という
本当にやりたい目的が明確になったら、
がぜんやる気になられました。

そしてあっという間に、
仕事のオンライン化やお客様への説明を
着々と進めていかれました。

つまりそれまでは
ITにそれほど詳しくないから
できなかったのではなく、
やる必要を感じなかったから
やらなかったのです。

しかし、それで
めでたしめでたしとはなりませんでした。

無事オンライン化を進められて、
時間にもゆとりがあるのに、
平日に海や湖にいると
「みんなは働いているのになぁ…」と
罪悪感があり
楽しめていないことに気づかれました。

これではきれいな自然の中にいても、
物理的に身体がそこにあるというだけで、
「それを楽しむ暮らし」という
本質的ニーズは満たせていません。

「平日は仕事をするもの」
「楽しむのは頑張ったご褒美」など、
様々な制約を自分にかけている、
ご自身の思い込みや価値観が
明確になりました。

そして
本質的ニーズを叶えていくためには、
人生を楽しむためのマインドが
必要だ
と気づかれました。

こちらは心理学や脳科学の手法を
取り入れながら
コンサルをさせていただき、
「~すべき」という価値観や思い込みを
徐々に手放していかれました。

そうして今では、
物理的にも心理的にも
きれいな水や自然を楽しむ暮らしという
本質的ニーズを実現されています。

ご自身もとても楽しそうですし、
ご家族仲もとてもよくなったようです。

このDさんの例から分かるように、
本質的ニーズにはパワーがあります。

本質的ニーズを捉えられれば
「どうやってモチベーションを
維持しようか?」などと
考える必要はありません。

そもそも自分が本当にやりたい、
モチベーションがあることだけを、
やるべきタスクに入れていくからです。

「頑張ってモチベーションを
保たなければならない」と
思うようなことはそもそもやらないのです。

もう一人、クライアントEさんの事例も
許可をいただいてご紹介しておきます。

仕事も家庭も充実させたい!
Eさん、会社員の事例

Eさんは、幼稚園に通う
お子さんがいらっしゃる女性です。

転職してから仕事が
以前より難しい内容になり、
なかなか覚えきれず、
ミスをしてしまうのを何とかしたい。

プライベートでは
旦那さんと別居中で、
分かれた方がいいのか、
それとも関係を修復したいのか、
まだ自分の気持ちが分からなくて
決められないという状態でした。

どちらも解決して、
仕事もプライベートも
充実した人生を送りたいと、
セミナーに参加されました。

Eさんが最初に目標とされていたのは
「仕事も家のことも
ミスなくちゃんとできる自分になりたい。
そうすれば、仕事もプライベートも
充実した生活を送れるはず」という
ビジョンでした。

しかし、セミナーの中で
理想の未来を創るコンセプトデザインの
ワークをやっていくと、
出てきたビジョンは、
ミスなく完ぺきにこなしている
自分の姿ではありませんでした。

理想のビジョンとして出てきたのは、
穏やかな日の当たる気持ちの良い家で
家族でくつろいでただただ笑っている、
お子さんがふざけているのを
ご夫婦二人でニコニコして見ていたり、
旦那さんやお子さんと
一緒に楽しく過ごしている光景ばかりでした。

Eさんの本当に目指したいのは、
「仕事もできるしっかり者の
ママになること」ではなく、
今のままのご自分で、
ご家族と穏やかに笑って過ごす
日常なのではないですか?

本当にその通りです!
肩に力が入っていました。

こんなやりとりをして、
ご自分の本質的ニーズが
「仕事も家庭も」という並列ではなく、

「自然体で笑顔で過ごせる
穏やかな家庭が一番。
そんな穏やかな日常を
支えるための仕事」という
優先順位であることが明確になりました。

その結果、
別居中だった旦那さんと
本当はやり直したいという
自分の気持ちに気づき、別居は解消。

今はご家族3人で
楽しく穏やかな日々を送っておられます。

お子さんに対する見方も変わり、
これまでは
お子さんができないところを
教えてあげようという意識が強かったのが
できるところが自然と見られるようになり、
子どもの成長を感じられるようになった。

そして、自分のことも
「ミスしてしまった」というところばかり
見るのではなく、
「ミスすることもあるけど、成長できている」と
自分で認められるようになったそうです。

Eさんは穏やかな家庭が一番大事でありながら、
仕事もとても一生懸命な方。
会社で社長賞を受賞されたこともあります。

これまでは
仕事も家庭も全方向に頑張るぞ!と
エネルギーが分散してしまっていたのが、
自分のニーズに優先順位がつけられたことで、
時間やエネルギーの使い方が整理され、
無理して頑張るのではなく、
自然と成果がついてくるようになられました。

最後に、Dさん、Eさんにも共通する
うまくいくポイントとして、
全体を考える重要性について
お話ししておきます。

全体を考える重要性

Dさんの事例では、
「仕事の目標を考えるには
仕事のことを考えなければ」という
思い込みがあり、

仕事以外も含めた人生全体を通して
自分が何をしたいか、
何に一番心がおどるかということが、
トータルで考えられていませんでした。

Eさんの事例では、
仕事ではミスなくプライベートも充実、と
人生を仕事とプライベートに分断して
それぞれの要素を別々に考えていて、
トータルでどんな人生にしたいのかという
全体像のイメージが持てていませんでした。

このように人生を
仕事とプライベートと分断したり、
仕事の目標を考えるときには
仕事のことだけ考える、というように
一部分だけを捉えようとするのは
効果的ではありません。

部分の積み重ねで
全体を創ろうとするのではなく、
全体像をイメージしてから、
それぞれの部分を決めていく必要があります。

例えば、会社運営をするときに、
営業部と製造部が
それぞれ自分の部署のことだけを考えて
バラバラに目標を設定すると、
どうなるでしょうか?

例えば、
営業は「量産品をたくさん販売したい。
月間販売台数1万台」という目標を立て、

製造部は「少数のお客様に
カスタマイズしたものを作りたい。
月間販売台数100台、
1台当たりの単価や利益率、
顧客満足度の最大化」というふうに
目指す方向性がバラバラ。

すると、
営業部が頑張って
たくさんの受注を取ってくると、

製造部からすれば
「一人一人のお客様と時間をかけて
カスタマイズ品を作りたいのに、
営業から量産品をたくさん作るよう言われる。
こんなことをしていたら、
単価や利益率が下がってしまい、
自分たちの目標が達成できない」と
不満を抱えてしまいます。

逆に、製造部が頑張って
一人一人のお客様と
何度も試作を繰り返しながら
カスタマイズ品を作り、
単価や利益率が上がり、
お客様にとても喜んでもらえたとしても、

営業部からすれば
「製造がカスタマイズ品に
時間をかけてばかりで
量産品の製造が追いついていない。
もっと生産台数を増やしてくれれば
自分たちの営業成績も上がるのに」と
不満になります。

どちらの部署が悪いわけでもなく、
それぞれの部署が
自分たちの目標を頑張っています。

しかし、目指す方向がバラバラだと、
このようにお互いが頑張れば頑張るほど、
他の部署の足を
引っ張ってしまうことにもなります。

ですから、
バラバラに目標設定をするのではなく、

会社全体として
「誰にどのようなサービスや物を提供する
どんな会社でありたいのか」という
全体像を決める必要があります。

その全体像を共有したうえで、
その全体像を実現するための
営業部と製造部の目標を
それぞれ決めていけば、
お互いの頑張りがお互いを助けることになります。

営業部からすると
「製造部がいい製品を作ってくれるから、
お客様に自信をもって販売できて、
営業部の成績も上がる」

そして、製造部からすると
「営業がお客様と
信頼関係を構築して
お客様のニーズをしっかり拾ってくれるから、
いい製品を作って喜んでもらえる」

こんな好循環が生まれます。

カスタマイズ品がいいのか、
量産品がいいのかというのは
手段に過ぎないので、
どちらがいい悪いという
絶対的な指標があるわけではありません。

それぞれの会社の強みや価値観によって
扱う商材ややり方は
決めていけばいいのです。

人生も全体像から創る

人生設計もこれと同じことが言えます。

「仕事はこう」「プライベートはこう」と
バラバラに目標設定をしていたり、
「仕事の目標は
仕事のことだけを考えて決める」と、
自分の部署しか見ていないような
決め方をしていたら、
せっかく頑張っていても
足の引っ張り合いになってしまうことがあります。

とてももったいないです。

例えば、家族のためにも
仕事をがんばっているはずなのに、
仕事のストレスで
せっかくの家庭が楽しめないとか、

自分の人生を充実させるために選んだ仕事で、
客観的にはうまく行っているのに、
他人と比較したり、
短期的な結果だけを見て
焦ったり落ち込んだりして
人生全体を楽しめていなかったら
本末転倒ですね。

部分を最適にしようとすることを
「部分最適」、
全体を最適にしようとすることを
「全体最適」と言います。

部分最適の積み重ねは
全体最適にはなりません。

それぞれの部分の目指すところが
バラバラだと、
部分最適を積み重ねようとすることで
かえって全体がおかしくなってしまうことが
よくあります。

部分最適を積み重ねようとするのではなく、
最初から全体最適を
目指していく必要があります。

全体最適で理想の人生を創るために
必要なこと

全体最適で自分の理想の人生を
創っていくためには
自分の心の声を素直に捉えることが大事です。

Dさん、Eさんの
ライフキャリアデザインがうまく行ったのは、
お二人とも自分の心の声を
素直に聞き、受け入れ、
その自分の気持ちを尊重できたからです。

実はこれはなかなか難しいことです。

自分を信じる力や
自己肯定感がないとできません。

例えば、Dさんがコラージュで
「きれいな水や自然を楽しむ
暮らしをしたい」という
自分のニーズが出てきていても、

「イヤイヤ、そんなのムリですよね。
まずは仕事を頑張らないと」と
部分最適にこだわり続けていたら、
「きれいな水や自然を楽しむ暮らし」という
理想が叶うことは絶対にありません。

部分最適の先にあるのは
「自然の中で楽しむことをあきらめて、
本当にやりたい方向性も決まっていないのに
目の前の仕事を頑張ろうとする暮らし」です。

仕事を頑張れば頑張るほど
クライアントさんからの信頼も増え、
「仕事が忙しくて休めない」と
自然の中で楽しむ暮らしから
ますます遠ざかっていくこともあるでしょう。

また、Eさんが
「家族と穏やかに過ごしたいんだ」という
自分のニーズを受け入れずに

「イヤイヤ、仕事のミスがあるのに
家族とへらへら楽しんでいては
いけませんよね。
まずはミスをゼロにしないと!」と
こだわり続けていたら、

ありのままの自然体の自分で無理なく、
家庭生活を楽しみながら
自然と結果がついてきて
お客様にも喜ばれ
社長賞も受賞できてしまう、
という暮らしは絶対に手に入りません。

部分最適の先にあるのは
「自分のニーズを先送りにして
ミスをゼロにすることに
こだわり続ける人生」です。

ミスはしないに越したことはありませんが、
物理的にミスをゼロにすることは
不可能なので、
「ミスをゼロにする」という
非現実的な目標を追い続ける
苦しい人生になってしまいます。

自分はきれいな水や
自然が大好きだから
それを楽しむ人生を送りたいんだ。
送ればいいんだ。

私は家族と過ごす
穏やかな時間が一番大事だから、
その時間を楽しめる
人生にしたい!

そんな自分のニーズを素直に認め、
そんな暮らしを実現させたいという
自分の理想をバカにせず、
そんなのムリだと否定せず、
一歩一歩叶えていこうと取り組まれたから
理想がかなったのです。

自分のニーズを素直に認め、
その気持ちを尊重するのが一番難しい

理想を叶えられないのは
やり方が分からないから
できないのではなく、
能力がないからできないのでもありません。

「自分の本当の理想をかなえていい」と、
自分のニーズを素直に認める、
本当に自分がやりたいことに正直になる、
その自分の気持ちを尊重し続けることが
できないから叶わないのです。

自分のニーズを素直に認め、
本当に自分がやりたいことに正直になることは
実はとても難しいことです。

「本当にこんなことしてていいのかな?」とか
「わがままじゃないのかな?」と、
日和る気持ちが湧いてきたり、

短期的な結果に一喜一憂して
「本当にこれで大丈夫なのかな?」と
ブレてしまいがちです。

自分のやりたいことを実現するというと、
「ラクすること」というような
イメージを持っている人もいるのですが、
とんでもありません。

安心して下さい!
全くラクではないですよ!w

自分の本当の理想をあきらめずに
追い続けることの難しさは、
一度でも真剣にそれに
取り組もうとしたことのある人なら、
よーく分かるでしょう。

他の人が短期間で
華々しく成果を出しているのを見ると、
本来の自分のニーズから
軸足が抜けてしまって、

「私もそうしなければ!」とブレたり
焦ってしまうことは本当によくあります。

でもそれでいいのです。

そんな時にはまた、
「本当にやりたいことって何?」
「私は本当にこっちを目指したいの?」と
自分に問いかけて
また自分のニーズに戻ればいいだけです。

成功者もブレている

世の中で成功者と呼ばれていたり、
軸がしっかりして
ブレていないように見える人でも
実は結構ブレています。

焦ったり落ち込んだり
一喜一憂したりしながら進んでいます。

継続的に取り組み続け、
自分のニーズを叶えられているのは、
ブレていないのではなく、
「ブレることは当たり前だ」と理解し、
ブレる自分を受け入れているからです。

ブレることがデフォルトと
認識しているからこそ、
「ブレていないかな?」と確認ができます。

そしてブレた時に
「また人と比べて焦っていた。
自分の目指す方向はこっち。」と
早めに戻ってきているだけです。

ブレずに一直線に進んでいるのではなく、
小さくブレながら、
軌道修正しながら進んでいるのです。

まとめ

それでは最後にこのコラムのまとめです。

情報が多く、
生き方の選択肢も増えている現代では、
自分が本当に望んでいるものは何か、
本質的ニーズを見つけることが重要です。

やりたいことは手段。
本当に欲しいもの、本質的ニーズは
それによって得られる
気持ちや状態の変化です。

手段と目的を
はき違えないようにしましょう。

本質的ニーズにはパワーがあります。

本質的ニーズを見つければ、
「モチベーションが続かない」と
悩むことはなくなります。

感情が動く体験をしたとき、
「なぜ?」「どんな気持ち?」と
自分に問いかけ、自分なりの解釈をしましょう。

仕事とプライベートを分けずに、
人生全体に自分が求める本質的ニーズを
素直に正直に捉えることが大事です。

ニーズを捉えられても、
どんな人でもブレてしまうことはよくあります。

ブレずに進むぞ!ではなく
「ブレるのは当たり前。ブレていいんだ」と
認識したうえで、
小さくブレながら
軌道修正しながら進んでいきましょう。

継続し続ければ、
時間がかかっても
必ず実現に一歩ずつ近づいていきます。

自分にOKを出しながら
自分のペースで進んでいきましょう。

次回は…

本質的ニーズを見つけることはできても、
それを一歩ずつ叶えていくプロセスが難しいな、
どう叶えていけばいいのか
よく分からないと感じた方もいらっしゃるでしょう。

次回は、3つ目のスキル

「理想と現実のギャップを埋めるスキル」
について解説します。

ぜひ次のコラムもご覧ください。

また、
デザイン思考で人生を創っていく方法や、
仕事につながる強みの見つけ方
本質的ニーズを見つけるために不可欠な
自己肯定感の高め方については、
別のコラムでも解説しています。
各リンクからぜひご覧ください。

さらに、無料教材でも
自分らしく幸せな人生設計をするにあたり
必要なスキルとマインドを
体系的に解説しています。
リンクからぜひダウンロードしてご活用ください。

自分らしく幸せを実現する
ライフキャリアデザインについて
詳しく知りたい方はこちら