転職しようか?起業しようか選択に迷ったり、
将来について、これからどうしよう?と
方向性に迷うことはありませんか?
幸せライフキャリアデザイン
コンサルタントの常光です。
このコラムでは
「選択や方向性に迷いがなくなる方法」について
のべ1万人以上の
経営者・ビジネスパーソンの支援をしてきた
コンサルタントの立場から解説します。
目次
まず、前提として今の時代は
迷うことは当たり前です。
今の世の中を表す言葉として
VUCAという言葉があります。
これは、
Volatility(変動性)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性)
の頭文字をとった造語です。
今の世の中はこの4つの指標が高く、
先行きが不透明で
将来の予測が困難な時代であると
言われています。
グーグルのCEOを長く勤めておられた
エリック・シュミット氏は、
「どんな経営手法が役に立つのか
よく分からない。
分かっているのは
これまでの経営セオリーは
この世界では役に立たないということだけだ。」
と述べています。
先行きが不透明で予測がつかない
VUCAな時代では、
先進的なサービスを提供している
世界的大企業のトップですら、
何が役に立つのかは分からないと
言っているのです。
私はこの言葉を聞いたときに
非常に安心しました。
グーグルの偉い人ですら、
未来がどうなり、
何が役立つか分からないと
言っているんだから、
私にわかるわけがない。
分からなくていいんだ。
そう思えたからです。
今、選択や方向性に迷うということは、
当たり前のことです。
何もおかしなことではありません。
迷ったときには自分の心の声を聴き、
自分の頭で考え、
自分が納得する選択をしながら
一歩ずつ進んでいけばいいのです。
これから、
VUCA時代を迷いなく生きるために
役立つ3つのスキルを
3回シリーズでご紹介します。
このコラムを読むことで、
これからの時代に身につけるべき
必要なスキルが分かります。
自分のやるべきことが見えることで、
安心感にもつながるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
3つのスキルをご紹介する前に、
なぜそのようなスキルを
身につける必要があるのか
背景をお話しします。
一言でいうと、
年齢や性別によらず、
様々な生き方を選べる時代になり、
生き方の自由度が高くなっているからです。
以前は、「いい学校に入り、
いい会社に入り、
定年まで勤めるのが安定で幸せな生き方」
そんなパターンがありました。
しかし今は、人の寿命が延びた一方で、
世の中の変化は速くなり、
モノやサービス、ビジネスの寿命は
短くなっています。
40~50年も同じ会社で
同じ仕事を続けたり、
同じ活動を続けていくのは
現実的ではありません。
転職や職種を変わるなど、
いくつかの仕事を経験することが
当たり前になっています。
また技術革新が進み、
以前なら高額な器材がないと
できなかったようなことが、
今はスマートフォンやパソコン1台で
できるようになりました。
クラウドファンディングなど
新たな資金調達の方法も
利用できるようになりました。
そのようにハードルが下がったため、
起業という選択肢を選ぶ人も増えています。
また、以前は残業が多く、
会社と家の往復だけで
毎日が終わっていく人も多かったのですが、
今は長時間労働ではなく、
短時間で効率よく
成果を出すことが求められます。
会社や仕事に拘束される時間が減り、
家庭生活や、副業、ボランティア、趣味など
様々な活動を大事にする人も増えています。
さらに、変化する時代に対応できるように
常に学び続けることが
求められるようになりました。
学生の後、社会人となるという
一方通行の生き方ではなく、
社会人経験の後、
本当にやりたいことに出会い、
学生に戻って学びなおす人、
学生と社会人の2足の草鞋を履きながら
スキルアップを図る人も増えています。
また、以前は
男性は責任の重い判断を求められる総合職、
女性は定型業務が中心の一般職のように、
性別によって就職できる職種が
限定されていたことがあります。
しかし今は、
性別によらず自分が求める
ライフスタイルによって
働き方を選択できるように変わってきています。
何歳で何をするのが普通、
男性なら/女性ならこうすべきという
画一的な生き方ではなく、
年齢や性別によらず
自由に生き方や働き方を
選べるようになってきました。
自分の好きなように
人生を決めていきたいと思う人にとっては
とてもいい時代です。
しかし、自由度が高いということは、
難易度が高いということでもあります。
自分にとって何が最適なのか、
選んだり決めたりする難しさがあるからです。
決められたレールを
上手に進んでいくスキルと、
レールがないところに
どのようなレールを敷いていきたいか
自分でゼロから決めていくスキルとは
全く別のものです。
ですから、これまでとは違う
スキル・やり方が必要になるのです。
それでは、前置きが長くなりましたが、
VUCA時代を迷いなく生きるために
役立つ3つのスキル、
1つ目の「デザイン思考」から
ご紹介していきましょう。
「デザイン思考」とは、
デザイナーやクリエイターが
業務で使う思考プロセスを活用し、
前例のない課題や未知の問題に対して
最適な解決を図るための思考法です。
次の3つの特徴があります。
つまり、使う人の立場に立って
本質的で根本的なところを捉え、
解決しようとします。
具体的に、デザインを行う際の
プロセスとは次のような順序で行われます。
【1】測定/観察
ヒアリングや測定、観察により、
データや情報を集めます。
集まったデータや情報から、
表面的ではなく本質的な
課題やニーズを捉えようとします。
【2】全体構想
全体像や方向性を決めます。
【1】測定観察で捉えた
本質的な課題やニーズから、
どのような解決を図るのか、
どういう状態を目指していくかという
抽象的なビジョンやコンセプトを決めていきます。
【3】詳細設計
具体的な細部を決めていきます。
抽象的なビジョンやコンセプトを
どのようにして具現化するのか
詳細を具体的に決めていきます。
【4】実行
決めた通りに実行していきます。
デザイン思考とは、
このようなプロセスを、
モノやサービスを作るための
デザインだけではなく
様々な問題解決にも応用する考え方です。
具体的にどのように応用するのか、
例を挙げて見ていきましょう。
例えば、上司やクライアントから
こんな依頼を受けたとします。
今度の会議で使いたいから
VUCAについて
説明する資料を作って
Aさんは、言われた通り、
ネットや本で調べ
VUCAについて分かりやすく
まとめた資料を作りました。
Bさんは、
会議の出席者はだれか、
なぜ上司やクライアントが
その説明をしようとしているのか、
目指すゴールは何か、
どのようなことを実現したいのか
情報収集をします。
例えば、上司やクライアントのニーズが
「時代の変化に対応できる
人材育成を行いたい」のであれば、
VUCAについて一般的なことを
分かりやすく伝えるだけでは
不十分でしょう。
ですから、
相手のニーズを詳しくヒアリングし、
質問や提案を行うなど
双方向のコミュニケーションをとりながら、
相手が目指しているゴールを
明確にイメージし、
共有することにつとめます。
これから各自が
キャリアビジョンを
考えられるような
風土を作っていきたい。
今回はその導入として
10分程度で説明を行いたい。
このような相手のニーズ、
会議で実現したいことの
全体像・ゴールイメージを明確にします。
そのうえで、その全体像や
ゴールイメージを実現できるように、
作るべき資料の詳細を決めていくのです。
例えば、3分の導入説明の後、
事例を一つ紹介して、
最後に問題提起を行うというような、
細部の組み立てを考えて、
具体的な資料作りを進めていきます。
Aさんの目的は「資料を作る」ことです。
何のための資料なのかという
本質的な目的があいまいなまま、
いきなり資料を作りはじめています。
Bさんの目的は
「その資料を使う人の
本質的なニーズを叶え、
根本的な課題を解決をすること」です。
このBさんの思考プロセスが
デザイン思考です。
デザインのプロセスに従って、
情報収集し、
全体像を明確にイメージ、共有し、
そのために必要な細部を
具体的に組み立てていき、
実行しています。
測定/観察、全体構想、詳細設計までが
デザイン、設計と呼ばれるプロセスです。
つまり、Bさんは
デザインを行っているのに対し、
Aさんはデザインせずに、
いきなり実行しているのです。
本質的ニーズを叶え、
根本的解決に役立つデザイン思考ですが、
いつでもデザインが必要
というわけではありません。
前に作ったものと
全く同じものを作るときには、
デザインは不要です。
前と同じ手順で
そのまま繰り返し実行したり、
決まった設計図やマニュアル通りに
実行すればいいのです。
決まったレシピ通り忠実に
お料理を作る場合などが
これに当てはまります。
一方で今までにない
新しいものを作るときや、
条件が変わるときには
デザインが必要になります。
レシピをアレンジして
オリジナルのお料理を作るのが上手な人は、
デザインをしているのです。
例えば、
「今日は暑いから
さっぱりしたものがいいだろう」と
食べる人のニーズを理解し、
いきなり作り始める前に、
「このレシピをこの材料に変更したら
どうなるかな?」と
頭の中で完成形の全体像をイメージします。
その全体像のイメージがあるから、
「この材料は柔らかいから
ゆで時間は半分にして、
さっぱり仕上げたいから、
調味料も7割の量にしよう」と
詳細が決められるのです。
慣れている人なら、
このようなプロセスは
一瞬で頭の中でイメージできます。
ほぼ無意識でやっていて、
自分がデザイン思考をしていることにすら
気付いていない人も多いでしょう。
慣れていない人には
難しく感じるかもしれません。
しかしこれは、
天性の才能ではなく、
スポーツと同じように
反復練習で身につくスキルです。
デザインのプロセスを正しく理解し、
意識して繰り返していけば
徐々に身につき、
無意識でもできるようになっていきます。
VUCAの時代には
常に環境が変わり続けるため、
デザインが必要になります。
例えば、
「去年はそのやり方で効果が出たけど、
今はアルゴリズムが変わって逆効果」
というようなことはよくあります。
「前はそのスキルが必要だったけど、
今はアプリで誰でも一瞬で簡単にできる」
ということもよくあります。
それなのに同じやり方で続けていたら、
大きなロスになってしまいます。
環境がどんどん変わっていきますから、
前と同じ結果を出したいなら
同じことをすればいいのではなく、
環境の変化に合わせて
常にデザインし続け、
やり方を変えていく必要があります。
あなたの未来は、
まだこの世にない新しいものです。
あなたの人生、
ライフスタイルやキャリアも
デザイン思考で作っていく必要があります。
今までは成果が出ていたやり方でも、
環境が変われば、
やり方を変える必要があります。
他の人のやり方だけまねしても、
前提条件が違うので、
ほかの人と同じ結果にはなりません。
また、デザイン思考の特徴は
「ユーザーの視点に立つ」ことです。
あなたの人生のユーザーはあなた自身。
つまり、自分のニーズを満たすことが
一番重要です。
自分が本当に望んでいることは何か?という
自分のニーズを把握することから
始めていきましょう。
自分のニーズを満たすことは
わがままや自己中ではありません。
「社会にこんな貢献をできる
自分でありたい」とか
「家族にこんな暮らしを
させてあげたい」という
他者貢献のニーズが強い人は、
「他者貢献したい」というのが
自分のニーズです。
その自分のニーズを満たすために
人生をデザインしていく必要があります。
デザインをせずに
「人に喜んでもらいたい」と
行き当たりばったりで行動しても
目指す成果は得られにくいからです。
また、自分というユーザーのニーズを
全く聞かずに
「社会で求められるのはこれ!」と
自分に押し付けるようなやり方は、
そもそもデザインを全くしていませんから、
キャリアデザインとは言えません。
以前は決められたレールに従い、
「これが一般的」「これが幸せな形」と
誰かにデザインされた人生を実行する
実行力が求められました。
VUCAで自由度が高い今の時代には、
自分にとって何が幸せか?という
自分のニーズに気づき、
変化し続ける外部環境もよく観察し、
「こんな生き方・働き方をしたい」という
自分が求める人生の全体像を
イメージする必要があります。
その全体像から逆算して
今何が必要かを考え、
自分で歩みたい生き方を
自分で作っていく、
デザイン力が必要になります。
以前は、選択肢が少なく、
苦手なことがあっても
人並み程度にはやらなければならないなど、
パターンに自分を合わせることや
忍耐力が求められました。
今は、選択肢が増えているので、
自分の強みを生かし、
無理せず幸せになれるような
デザインをしていけばいいのです。
わざわざ苦しい生き方や
自分に合わない生き方を
デザインする必要はありません。
ですから、必要以上に無理をしたり、
ひたすら忍耐するような力は
以前ほどは必要ありません。
それよりも自分の強みを知り、
好きな形に人生をデザインできる
デザイン思考、柔軟な発想力や
「自分は自分でいいんだ」と
自分で認められる自己肯定感が必要です。
また、変化する時代に合わせて
常に学び続ける習慣も必要です。
大きく変化する時代に合わせて
必要なスキルやマインドが
大きく変わってきています。
しっかりアップデートしていきましょう。
デザイン思考で人生を創っていく方法や、
仕事につながる強みの見つけ方、
自己肯定感の高め方については、
別のコラムでも解説しています。
各リンクからぜひご覧ください。
また、無料教材でも
自分らしく幸せな人生設計をするにあたり
必要なスキルとマインドを
体系的に解説しています。
リンクからぜひダウンロードしてご活用ください。
それでは最後にこのコラムのまとめです。
現代は、VUCAと言われる
先行きが不透明で将来の予測が困難な時代。
選択や方向性に迷うことは当たり前です。
このような時代に、
自分の納得いく選択をし、
理想の人生を創っていくためには、
これまでとは違うスキルが必要になります。
その1つ目のスキルとして
デザイン思考をご紹介しました。
「デザイン思考」とは、
デザイナーやクリエイターが業務で
使う思考プロセスを活用し
思考法です。
行き当たりばったりに
実行するのではなく、
実行の前に測定や観察というリサーチをし、
全体像をイメージしてから
具体的な細部を決めていきます。
スポーツと同じで
反復練習で身につくスキルですので、
ぜひ繰り返し実践してみてください。
やればやるほど力がついていきます。
デザイン思考で、
自分のニーズから人生をデザインしていく
必要性は分かったけど、
肝心の自分のニーズが分からない…
本当にやりたいことって何だろう?
そんな疑問がわいてきた方も
いらっしゃるでしょう。
次回は、2つ目のスキル
「本質的ニーズを見つけるスキル」
について解説します。
ぜひ次のコラムもご覧ください。